「ODAマップ」でみる日本と途上国の変化
アジアから中東・アフリカ・中南米へ 広がる相手国
1954年、アジア諸国への戦後賠償と並行して始まった日本の政府開発援助(ODA)。1989年から10年余りにわたって世界一の援助実績を誇るなど、途上国のインフラ整備や人材育成に貢献してきた。だが厳しい財政状況を背景に、最近のODA予算はピークだった1997年度から半減。かつて援助される側だった中国や韓国の台頭や、途上国が直面する課題の多様化などを背景に、日本のODAのあり方や援助先も変わってきた。2015年にODA大綱を大幅に見直し、名称も「開発協力大綱」に改めたのがその表れだ。
経済協力開発機構(OECD)のデータをもとに作成した「ODAマップ」を見てみよう。日本の援助先の分布と金額の規模を円形グラフ(バブルチャート)で示しており、まず1960年以降の変化を自動で再生。再生ボタンでもう一度見たり、途中で停止ボタンを押して左右のスライドで見たい年を選んだりできる。下の棒グラフはマップと連動し、各年の支出総額上位10カ国・地域を示す。バブルチャートを選ぶと、その国・地域へのODAの推移も折れ線グラフで確認できる。
順位 | 国または地域名 | 支出総額(百万ドル) |
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主要国のODA実績、「世界一」の米国が突出
OECDの開発援助委員会(DAC)加盟国のODA実績は「支出総額」と、貸付金が返済された分を差し引いた「支出純額」に分けられる。2014年の純額で日本は5位に後退。米国に次ぐ2位を守っていた総額でも4位に転落した。主要7カ国(G7)のODAの長期推移(総額)をみると、2001年以降の米国の突出ぶりが分かる。同時多発テロをきっかけにアフガニスタン復興など軍事関係の支援を拡大していることが背景にある。
制作大場 俊介、白尾 和幸、鎌田 健一郎、清水 明、山崎 亮
データ出典OECD、外務省、JICAホームページ、日経テレコン