360°スケッチ
アジア大会 2018

ASIAN GAMES - JAKARTA 2018 -

インドネシアの首都ジャカルタで開幕したアジア競技大会。
2020年の東京五輪を目前にしたスポーツの祭典を360度カメラで映し出した。

マウスまたはフリックで上下左右に動かすと、
自由に周りを見渡すことができます。

そり立つ18メートルの壁
クライミングの迫力

真下に立つと、巨大な恐竜が襲いかかってくるような迫力がある。8月26日、反り立つ18メートルの壁に女子ファイナリスト6人が挑んだ。東京五輪の新種目になる複合クライミングは、この反り立つ壁に挑む「リード」、15メートルの壁を登る速さを競う「スピード」、髙さ4メートルの異なる壁をいくつ登り切れるかを競う「ボルダリング」の3種目の合計点で競う。この日、アジア女王になったのは日本代表の野口啓代選手。人間業とは思えない身のこなしで韓国勢に競り勝った。

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木造船と高層マンション
新旧入り交じる港町

ジャカルタ中心地から北へ車で30分、コタ地区を訪ねた。北端のスンダ・クラパ港はオランダ統治時代に東インド会社の拠点として栄えたところだ。運河の片方の岸には建設資材などを運ぶ古い木造船、もう一方の岸には新築の高層マンション。眺めていると「この船に乗って写真をとらないか?」と、青い小舟が近づいてきた。お昼時、近くの食堂ではアジア大会のジェットスキーを観戦中。この店では「テンペ」と呼ぶチーズのような発酵食品がおすすめだそうだ。

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DJ調のアナウンス
五輪新種目を盛り上げ

2020年の東京五輪で正式種目になるバスケットボールの3×3(スリーバイスリー)。コートは5人制の半分ほどで、ゴールはひとつ。1試合10分で、先にどちらかのチームが21点取れば試合は終わる。ボールを持ったチームは12秒内にシュートを打つ、というルールがスピーディーな試合展開を生む。場内アナウンスはDJ調、会場の音楽は大音量。試合後、選手の話を聞いていた日本メディアの記者は「ボリュームが大きすぎて声が聞こえない」とぼやいていた。

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盛衰の「ブロックM」
リトル東京の今

公式ウエアを着て歓楽街を訪れたバスケットボール男子日本代表の4選手が帰国処分になった。その歓楽街はジャカルタ中心地から10キロほど南の「ブロックM」というエリア。日本人が多く住む地域に近い。和食店や日本食材が買える店が集まり、女性が客引きをする店も点在する。このあたりは19年春にも開業する大量高速輸送システム(MRT)の駅ができることで地価が高騰。家賃を払えず廃業する店も相次ぐ。「リトル東京」と呼ばれ栄えた町は今、寂しさが漂う。

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熱戦に沸くジャカルタ
変わらぬイスラムの祈り

8月22日、アジア大会のメーン会場から車で10分ほどの小さなモスクを訪ねた。この日はイスラム教の犠牲祭の日。牛やヤギを生贄(いけにえ)として神に捧げる習わしがあり、手際よく解体作業が進められた。その2日後に訪ねたのは、ジャカルタ中心地にある東南アジア最大のモスク、イスティクラル。この日はいつもの金曜礼拝で、8千人を超える信者が集った。国を挙げたスポーツの祭典が開かれる中、祈りの日々は続く。

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56年ぶりの開催
建国の父が見つめる摩天楼

1945年に独立を宣言したインドネシアのスカルノ初代大統領。アジア大会会場の門前に建つ「建国の父」の像は今、目の前にそびえ立つ摩天楼を見つめる。この会場は1962年に初めてアジア大会を開いた場所。大規模な改修工事を経て、56年ぶりの開催にこぎつけた。威厳のある像とやや不釣り合いなのは、すく横にあるプレハブの公式グッズ売り場。ポロシャツが6千円、Tシャツが3千円ほどで売られていた。

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バドミントン
線審の「アウト」が響くカメラ席

「アウト!」シャトルがふわっと落ちると、すぐそばの線審が大きな声でコールした。ここはバドミントンコートのカメラ席。テレビにはあまり映らない。幅2メートルほどの狭いエリアで肩を寄せ合い、あぐらをかいたり膝を立てたりと、それぞれの格好でカメラを構える。この日、団体戦でコートに立った山口茜選手はインドネシアの選手に敗れた。レンズはショットだけでなく、悔しがる顔にも真っすぐ向けられていた。

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開会式後にいったん閉鎖
メイン会場お色直し

バイクで登場する大統領、華麗な民族舞踊や打ち上げ花火……。熱気で包まれた開会式の後に待っているのは、競技会場へのお色直しだ。式典の場所は陸上のメイン会場。翌日いったん閉鎖され、大会8日目の競技スタートに備える。開会式の2日後にのぞくと舞台装置の解体の真っ最中。工事現場に後戻りしたような様子で、トラックが行き交い、芝生を張る作業も急ピッチで進んでいた。

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強風が吹く水泳会場
池江選手の追い風?

大会2日目の午後。水泳会場で突然、2メートルを超える壁がドーンと音を響かせて倒れた。この壁は競泳と飛び込みのプールを仕切るもの。競技では不要だが、スポンサー名が入った広告ボードの役割を担う。半屋外構造の屋根の下から入る風が災いした。バタフライと自由形で4つの金メダルをとった池江璃花子選手は大会前、「こっち(スタート台)側から風が吹くので(風に)乗りたい」と話していた。

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朝6時からパレード
市民に高揚感

8月17日は独立記念日、翌18日はアジア大会開会式。そして一夜明けた19日、ジャカルタでは朝6時から、市民が大通りを練り歩いた。56年ぶりのアジア大会開催で、行き交う人の顔には高揚感も見てとれる。大勢が集まったのはHIロータリーと呼ぶ広場。日本の戦後賠償で建てた「Hotel Indonesia」にちなんだ名だ。これまで噴水はたまにしか出ていなかったそうだが、この日は勢いよく水を噴き上げ、人々が涼んだ。

取材・制作
板津直快、鎌田健一郎、佐藤健、伊藤岳

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