新社会人、どう生きるか
今に役立つ
「私の履歴書」
「私の履歴書」
「私の履歴書」は1956年から半世紀を超えて続く日本経済新聞の名物コラムです。経済、政治、文化、スポーツの各界から、つねに時代をリードし、新しい地平を切り開いた人々が人生を振り返って語ります。逆風に立ち向かうチャレンジ精神、失敗を恐れない勇気、仲間への信頼――。彼らの証言には「今」を生きるヒントがつまっています。これから社会への一歩を踏み出す人、今まさに責任ある立場で葛藤する人、人生の岐路に立つ人、それぞれの羅針盤となり導いてくれる。そんな連載を電子版のアーカイブからお届けします。
(肩書は掲載当時のものです)
名経営者
時代の変化をとらえヒットを生み出す。国の将来を思い政治に物申す。傾いた組織を立て直す。日本の産業史、社会史に大きな足跡を残した人々の証言集です。
チャンスというものは、出会った時に果敢に挑戦しなければ生かせません
樋口広太郎
アサヒビール名誉会長
アサヒスーパードライを世に送り出し、業績が低迷していた同社を生き返らせた立役者。副頭取まで務めた住友銀行から転出する際、周囲は止めましたが樋口さんは一人で飛び込みます。モットーは「逆境こそチャンス」でした。
2001年1月掲載
行革は、一種の世直しである。国民の意識をかえる息の長い国民運動である
土光敏夫
経済団体連合会名誉会長
伝説の財界人といえばこの人。経済団体連合会の第4代会長を務め、後に強い信念で行政改革を引っ張りました。「怒号敏夫」「荒法師」などと恐れられる一方、質素な生活ぶりから「メザシの土光さん」と呼ばれ愛されました。
1982年1月1日〜2月2日掲載
創業者
夢を形にするため、暮らしをよりよくするため、未来を信じて会社を起こし、新しい市場を生み育てたパイオニアたちの奮闘を紹介します。
私にとって分かりやすい一流の尺度の1つは「社員が子どもを入社させたくなる会社かどうか」
寺田千代乃
アートコーポレーション名誉会長
引っ越しを専業とする日本で最初の会社を大阪で立ち上げた女性経営者です。消費者の視線で「あったらいいな」という新サービスを次々に生み出しました。小さくても一流を目指した波乱に満ちた半生を振り返ります。
2020年9月掲載
私は、経営というものは、本来このように非常に高い価値をもった芸術的行動だと思う
松下幸之助
松下電器産業創業者
言わずと知れた「経営の神様」。奉公人から身を起こし、大企業を築き上げた一代記はビジネスマンなら必読でしょう。企業人が経営やもの作りを通して国の利益、国民の豊かさや幸福を真剣に追求していた時代がしのばれます。
1956年8月19日〜8月26日、1976年1月の2回連載を再編集
スポーツ
結果がすべての勝負の世界。競争の厳しさとトップであり続ける難しさを誰よりも知るアスリートたちの人生は、それぞれが熱いドラマです。
他人から何をいわれようが、俺のフォームはこれだ、といって頑固に貫き通すところに個性が出る
江夏豊
元プロ野球選手
「江夏の21球」「オールスター9連続奪三振」など数々の伝説をもつ左腕の元投手です。高校時代から「強きをくじく」が信条だったとか。巨人の長嶋茂雄さんとの対決、記録誕生の舞台裏、「あの日」の名場面がよみがえります。
2017年12月掲載
スランプって嫌なものじゃないんだ。スランプと付き合おう。乗り越えたところに、新しい中嶋常幸が待っている
中嶋常幸
プロゴルファー
マスターズ、全米オープンほか海外メジャー4大会でトップ10入りする偉業を達成。ゴルフの手ほどきを受けたのは父親でしたが、すさまじい特訓はスポ根ドラマさながら。華やかなゴルフ人生は己との闘いの上に花開きました。
2019年7月掲載
学識者
企業活動や暮らしを支えている学問も、先駆者が打ち立てたからこそ今ここにあります。未踏の分野に挑んだ知の巨人たちが研究の舞台裏を明かします。
現地で食べてみることに努めた。ニシキヘビやコブラ、シマウマやラクダ、シロアリやセミなど小さな動物園ができるくらいの生き物を口にしてきた
石毛直道
文化人類学者
何でも食べる「鉄の胃袋」の持ち主といわれる石毛さん。まだ「食文化」という言葉がなかった時代、辺境の地を歩き異なる地域の食を比較することで文化人類学の新たな地平を切り開きます。愛すべき冒険家の物語です。
2017年11月掲載
従業員が会社や製品との一体感を求め、責任を持ちたがっていることは明らかだった。「従業員が欲しているのはカネだけ」という通説は的外れだったのだ
ピーター・ドラッカー
米クレアモント大学教授
「マネジメント(経営)」の発明者。1930年代ナチスが台頭すると故郷ウィーンを逃れ、英国や米国の投資銀行、雑誌社で働きながら論文を発表します。そして最高の研究対象、ゼネラル・モーターズと運命的な出合いをします。
2005年2月掲載
クリエーター
人並み外れた行動力と好奇心で世界に羽ばたいた表現者たち。世間から理解されずとも信じた道を進みます。悔いても恐れない潔い生き方が胸を打ちます。
向こう岸、見ているだけでは渡れない――。お母ちゃんが私に残してくれた言葉も大好きだ。最初から結果を恐れていたら何も生まれない
コシノジュンコ
ファッションデザイナー
生まれ故郷は大阪・岸和田。そこから世界に飛び出したコシノさんの原動力は実力で勝負する「だんじり魂」です。ただし、信頼した人間に裏切られるなどその人生は七転び八起き。涙あり、笑いありの半生記です。
2019年8月掲載
大人の言うことを聞かずに飛び出した私だけが助かった。「もう大人の言うことは聞かない。今日で子供をやめよう」と私は思った
岸恵子
女優
映画「君の名は」でスターとなり、キャリアの絶頂でフランス人監督と結婚し渡仏。しかし女優3人で作った独立プロは破綻、夫の裏切りを機に離婚。困難が襲うたび岸さんは類いまれな行動力と冒険心で乗り越えてきました。
2020年5月掲載