大統領補佐官
(国家安全保障担当)
National Security Advisor
ジェイク・サリバン
Jake Sullivan
オバマ政権で当時のバイデン副大統領の国家安保担当補佐官を務めました。2015年のイラン核合意取りまとめに携わった経験があり、バイデン政権では合意に復帰する考えを示しています。豊富な実務経験で国際協調路線への回帰をリードする役割を担います。
環境保護局長官
Environmental Protection Agency Administrator
マイケル・リーガン
Michael Regan
クリントン、ブッシュ両政権時に約10年にわたって環境保護局に勤務し、環境分野に精通しています。バイデン政権肝煎りの環境政策に携わります。ツイッターには息子・マシューくんの写真をよく投稿しています。
米通商代表部(USTR)代表
US Trade Representative
キャサリン・タイ
Katherine Tai
「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」の実施法案を巡り、共和党と交渉を重ねて議会承認にこぎつけた実績が有名です。オバマ政権のUSTRで中国担当を務めた実務家で、懸案となっている中国との貿易問題に取り組みます。中国の大学で英語を教えた経験があり、中国語も流ちょう。
国家情報長官
National Intelligence Director
アブリル・ヘインズ
Avril Haines
女性初の国家情報長官で、情報機関を統括する役目を担います。中央情報局(CIA)の元副長官で、国家安全保障担当次席大統領補佐官を務めた経験があります。柔道をたしなみ、パイロット免許を保有しているなどユニークな面も知られています。
米中央情報局(CIA)長官
Director of the CIA
ウィリアム・バーンズ
William Burns
情報活動の指揮をとります。駐ロシア大使などを歴任し、約30年の外交官経験があります。オバマ政権では国務副長官を務め、イラン核合意に向けた交渉に携わりました。特にロシアについて知見があるとされています。
国内政策会議委員長
Director of Domestic Policy Council
スーザン・ライス
Susan Rice
医療、教育、移民など内政全般を指揮します。国連大使や国家安全保障担当の大統領補佐官を歴任し、外交分野に明るいことで知られます。バイデン夫妻と親しい関係で、当初から要職での起用が予想されていました。
大統領経済諮問委員会(CEA)委員長
Chairperson, Council of Economic Advisers
セシリア・ラウズ
Cecilia Rouse
経済政策の司令塔として失業や所得格差の解決に取り組みます。米プリンストン大の教授で、アフリカ系女性。専門は労働経済学で、オバマ政権時に大統領経済諮問委員会のメンバーを務めていました。心理学者だった母親の勧めで経済学の道を選び、「あらゆる視点から労働市場を研究することに没頭した」と語っています。
財務長官
Secretary of the Treasury
ジャネット・イエレン
Janet Yellen
新型コロナ対策や税財政改革、銀行改革といった重責を担います。2014年から4年間、米連邦準備理事会(FRB)議長を務め、国内外の金融界だけでなく、政界でも豊富な経験を持っています。経済構造改革へ、古巣FRBとの連携が期待されています。夫はノーベル賞経済学者のジョージ・アカロフ氏。
農務長官
Secretary of Agriculture
トム・ビルサック
Tom Vilsack
中国との貿易戦争で疲弊した農家の救済などに取り組みます。オバマ政権でも農務長官を務め、農業団体によく知られています。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉では日本に農産品の市場開放を求めました。
商務長官
Secretary of Commerce
ジーナ・レモンド
Gina Raimondo
安全保障の観点から、ハイテク分野で対中国政策を担います。ベンチャーキャピタルを創業した後、東部ロードアイランド州の財務長官となり年金改革を主導しました。同州の知事も務め、新型コロナウイルス流行時にPCR検査拡大に取り組み、手腕が評価されました。
厚生長官
Secretary of Health & Human Services
ハビエル・ベセラ
Xavier Becerra
新型コロナウイルスの収束という重責を担います。母親がメキシコからの移民の中南米系で、家族の中で初めて4年制大学を卒業しました。オバマ政権では医療保険制度改革法成立に尽力しました。
運輸長官
Secretary of Transportation
ピート・ブティジェッジ
Pete Buttigieg
バイデン政権看板の環境・インフラ政策を担います。環境対策に熱心で、電気自動車の普及推進を重点施策に挙げています。ハーバード大卒でアフガニスタンへの従軍経験があります。民主党の予備選で初戦に勝ったことで注目を集めました。同性愛者だと公言しており、パートナーは中学校教諭です。
国土安全保障長官
Secretary of Homeland Security
アレハンドロ・マヨルカス
Alejandro Mayorkas
移民問題などを担当します。キューバ出身で、1歳の時に家族とともに米国に逃れました。中南米系、移民出身者として初めての国土安全保障長官となります。トランプ氏の公約だった「国境の壁」建設をはじめとする強硬的な対移民政策の撤回が予想されますが、保守派と左派の間で微妙な舵取りが求められそうです。
国連大使
Ambassador to the United Nations
リンダ・トーマスグリーンフィールド
Linda Thomas-Greenfield
ジャマイカとナイジェリア、スイス、パキスタンで国務省の任務を担い、オバマ政権ではアフリカ問題担当の国務次官補を務めるなど豊富な外交経験を持ちます。趣味は料理で、米南部の煮込み料理「ガンボ」が得意です。
大統領特使
(気候変動問題担当)
Special Presidential Envoy for Climate
ジョン・ケリー
John Kerry
新設された目玉の気候変動問題を担当するポストです。民主党の重鎮で、2004年の大統領選では民主党の候補でした。温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」を取りまとめた経験が知られています。