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2020年1月~6月の間、日本経済新聞電子版で掲載した「コロナ」という言葉を含む記事を集め、その記事に使われていた語句を「ワードクラウド」という手法で表してみました。文字が大きいほど記事の数が多いことを示しています。単語を押すと、記事数の推移が表示されます。日付を選ぶと、その日のコロナ関連記事でどんな単語が多かったのを示すワードクラウドが現れます。

新型コロナウイルスの最初の患者が出た中国・武漢の都市封鎖から半年がたとうとしている。世界各地や日本で感染者は増え続け、コロナとの戦いが続く。1月から6月までの半年間に日本経済新聞の電子版に載ったコロナ関連記事で使われたキーワードをたどってみると、世界で感染者が最も多い「米国」が記事数でもトップだった。「中国」「緊急事態宣言」「オンライン」も多く、その時々の感染状況や社会の様子が浮かび上がる。

月ごとに集計したワードクラウドを見てみると、キーワードが明確になる。写真やグラフとともに振り返る。

1

感染の始まりは
中国・武漢から

最初に「新型コロナウイルス」という単語が登場したのは1月9日。中国の国営テレビがウイルス検出を報道したとの内容だった。記事は次第に増えていく。「中国」「武漢」「旧正月」と中国・武漢での感染拡大が中心だった。

1/6厚生労働省が注意喚起
1/23中国・武漢市が都市封鎖
1/30世界保健機関(WHO)が緊急事態宣言
感染者が確認された中国湖北省武漢市の海鮮市場(1月17日)=共同
中国の新規感染者数

2

感染は中国の外へ
日本ではイベント中止

2月も「中国」が中心だった。韓国でも多数の患者が出て、感染は世界に広がり始める。日本ではクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の集団感染に注目が集まった。イベントの「中止」や「延期」も相次ぎ、臨時休校の「学校」の記事も目立つ。

2/3ダイヤモンド・プリンセス号の検疫開始
2/17中国で感染者7万人超える
2/27安倍首相が小中高一斉休校を要請
横浜港に着岸した「ダイヤモンド・プリンセス」(2月6日)
中国の新規感染者数

3

欧米に感染の波、
日本はマスク不足

感染の中心は中国から欧州、そして米国に移った。世界で株価が下落し、「市場」「株」など経済ニュースも増えていった。日本ではマスクが不足してドラッグストアに長蛇の列ができた。東京五輪の1年延期が決まり、「延期」の記事は3月がもっとも多かった。

3/11WHO事務局長が「パンデミック」宣言
3/13改正新型インフルエンザ対策特別措置法が成立
3/24東京五輪の1年程度の延期決定
ドラッグストアでマスクを買い求める人の列ができた(3月26日、都内)=ロイター
米国の新規感染者数

4

緊急事態宣言、
外出自粛で休業相次ぐ

政府が出した緊急事態宣言に関する記事が目立つ。まずは7都府県を対象とし、全国に拡大した。外出自粛で街は閑散とした。飲食店など事業者で休業が相次いだ。国内の新規感染者は11日に691人でピークに達し、その後は減少傾向になると「減」を含む記事が多くなった。

4/7政府が7都府県に緊急事態宣言を発令
4/16政府が緊急事態宣言を全国に拡大
4/28米国で感染者100万人超える
人出が少ない渋谷のスクランブル交差点(4月25日)
日本の新規感染者数

5

緊急事態解除、
飲食店など再開

4月に続いて緊急事態宣言がキーワードだった。宣言が次第に解除され、飲食店は営業を再開した。「減」の記事がピークに達し、感染者数の減少だけでなく、会社の減収や減益の記事も目立つ。会社員のオンライン上の勤務は宣言解除後も続いた。

5/1首相が緊急事態宣言の延長表明
5/20夏の全国高校野球の中止決定
5/25政府が全国で緊急事態宣言を解除
カウンターに仕切りを設けて営業を再開した串カツ店(5月16日、大阪市)
日本の新規感染者数

6

米国で再拡大、
世界で感染1000万人超

6月のコロナ関連記事は引き続き「米国」が多かった。一部で経済活動を再開したこともあって感染は再拡大し、世界の経済に影響を与えた。日本関連では仕事や飲み会の舞台となった「オンライン」の記事も目立つ。

6/2東京都が初の「東京アラート」
6/26米国の新規感染者、4万人超える
6/28世界の累計感染者、1000万人超える
検査の準備をする米国の医療関係者(6月27日、アリゾナ州)=AP
米国の新規感染者数