西日本を襲った記録的な豪雨から13日で1週間を迎えた。警察庁の発表によると死者は200人を超え、平成に入って最悪の豪雨災害となった。広島県では降り続いた大雨による土砂崩れや土石流が住宅街に流れ込み被害が拡大した。災害発生の前と後の写真を比較して広島の被害を伝える。
広島市安芸区矢野東
広島市安芸区の人口は約8万人で市内東部に位置する。同区矢野地区は平地が古くからの住宅地で丘陵地に住宅団地が新たに造られた場所だ。
広島市安芸区の矢野東地区は至るところで巨石や流木が散乱し、車は泥まみれになっていた。土砂やがれきに埋もれた場所では行方不明者の懸命な捜索活動が行われていた。強い日差しが照りつける中、警察官や消防隊員は汗を流しながら川に埋まった大量の土砂をスコップですくい取っていく。
豪雨前
豪雨後
豪雨前
豪雨後
豪雨前
豪雨後
豪雨前
豪雨後
豪雨前
豪雨後
豪雨前
豪雨後
豪雨前
豪雨後
広島市安佐北区
広島市安佐北区、人口は約14万6000人で市内最北に位置し、山地が多い自然環境に恵まれた場所だ。2014年8月にも土砂災害があった。
口田南地区では山の斜面が大きく崩れ、流れ出した土砂や木が民家に押し寄せていた。橋が崩落し道路を寸断され、車が前に進むことができない。橋の下には、がれきが散乱し、濁流が流れている。住宅街では重機で土砂を取り除く作業が行われていた。上空からみると被害が大きかった場所ではむきだしになった山肌が土砂災害の恐ろしさを物語っていた。
豪雨前
豪雨後
豪雨前
豪雨後
豪雨前
豪雨後
豪雨前
豪雨後
豪雨前
豪雨後
豪雨前
豪雨後
広島県坂町
広島県坂町の人口は約1万3250人で広島市と呉市の間に位置し、瀬戸内海と山に挟まれている。
広島県坂町では坂駅周辺をはじめ一帯が水で覆われた。JR呉線の架線はなぎ倒され、土砂が線路を覆ぐ。水尻駅前では乗用車が10台近く土砂に埋もれ、車の上部だけが見えていた。運転席の窓が開いていた車をみた時、必死にその窓から避難する人の様子を想像すると豪雨の恐ろしさを痛感した。泥が深く、本当の地面がどこにあるのか全く見当がつかないため慎重に道を進むと自衛隊員に背負われたお年寄りの女性が避難してきた。女性の表情からは救助された安堵感はなく、ぼうぜんと疲れ切った様子がうかがえた。
豪雨前
豪雨後
豪雨前
豪雨後
豪雨前
豪雨後
豪雨前
豪雨後
- 制作
- 久能弘嗣
- 写真
- 山本博文、目良友樹、小川望