TPP11、巨大経済圏を導くか

環太平洋経済連携協定(TPP)の新たな協定「TPP11」。日本やカナダ、オーストラリアなど11カ国が署名しており、米国が参加しなくても大貿易圏となる。

GDPは11兆ドル、ASEANの4倍規模

TPP11、米国抜きでも大貿易圏

米国抜きで2019年内の発効を目指すTPP11だが、世界GDPの13%、域内人口5億人をカバーする。経済規模はASEAN(東南アジア諸国連合)の4倍。参加国全体で99%の品目で関税を撤廃する。企業にとっては輸出や海外展開の環境が整い、消費者にとっても食品値下げなどの恩恵がある。

5年間で26%の経済成長、参加国増も

EU、NAFTAを上回る成長力

国際通貨基金(IMF)の見通しによるとTPP11の域内GDPは2023年に18年比26%増の14.3兆㌦になる。さらに、タイが参加準備を進め、韓国や台湾も関心を示している。英国が離脱を表明したEU(欧州連合)は6%増、トランプ米政権が再交渉を進めるNAFTA(北米自由貿易協定)は22%増にとどまる。

関税削減・撤廃の例

トランプ政権下で再交渉はあるか

米国参加なら世界GDPの4割に

トランプ米政権がTPPを離脱したためにTPP11は動き出した。ただ、15年には米国も含めて大筋合意した経緯がある。トランプ大統領は自国に有利な再交渉を条件に復帰する構えもみせる。米国が戻れば経済規模は3倍、世界GDPの4割に広がる。TPP11誕生が、消えかけた巨大経済圏を導く可能性もある。

主要経済協定とGDP

  • TPP参加国
名称 段階 加盟国
TPP(環太平洋経済連携協定) 18年3月に米国を除く環太平洋経済連携協定(TPP)参加11カ国が新協定「TPP11」に署名、年内発効めざし各国が国内手続き中 オーストラリア、 ブルネイ、 カナダ、 チリ、 日本、 マレーシア、 メキシコ、 ニュージーランド、 ペルー、 シンガポール, ベトナム
ASEAN(東南アジア諸国連合) 1992年にASEAN自由貿易地域(AFTA)を創設 ブルネイ、 カンボジア、 インドネシア、 ラオス、 マレーシア、 ミャンマー、 フィリピン、 シンガポール、 タイ、 ベトナム
RCEP(東アジア地域包括的経済連携) 2013年に交渉開始、「2016年大筋合意」の方針を断念も、早期妥結めざし交渉継続 日本、 中国、 韓国、 インド、 オーストラリア、 ニュージーランド、ASEAN
NAFTA(北米自由貿易協定) 1994年に発効。トランプ大統領就任後に再交渉開始 カナダ、 メキシコ、 米国
EU(欧州連合) 1993年に設立。19年3月に 英国が離脱予定 オーストリア、 ベルギー、 キプロス、 エストニア、 フィンランド、 フランス、 ドイツ、 ギリシャ、 アイルランド、 イタリア、 ラトビア、 ルクセンブルク、 マルタ、 オランダ、 ポルトガル、 スロバキア、 スロベニア、 スペイン、 ブルガリア、 クロアチア、 チェコ、 デンマーク、 ハンガリー、 リトアニア、 ポーランド、 ルーマニア、 スウェーデン、 英国
TTIP(環大西洋貿易投資協定) 2013年に交渉開始、17年1月のトランプ米政権誕生で交渉停止状態 米国、 EU
日EU・EPA 7月に署名予定、19年内にも発効 日本、 EU
日中韓FTA 交渉中、早期妥結めざす 日本、 中国、 韓国
取材・制作
古賀雄大、藤川衛、伊藤岳

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