クイズで知る 東京の高齢者の生活 ~東京で老いる~

世界で最も高齢化が進む日本。地方から若い世代が流入し続ける首都も急速に高齢者が増えている。「東京で老いる」。その現実をクイズ形式で紹介する。

Q1 下の3つの都市のうち高齢化率が最も高いのはどこ?

正解: ③東京23区

東京都の推計によると、23区の高齢化率は2024年9月15日時点で22.1%。世界の主要都市ではソウル市19.2%(24年)、シンガポール18.0%(24年)などが続く。北京市は15.8%(23年)、ロンドン市は12.1%(22年)だ。65歳以上の人口比率は高齢化率と呼ばれる。世界保健機関(WHO)は高齢化率7%超を「高齢化社会」、14%超を「高齢社会」、21%超を「超高齢社会」と定義しており、東京はいち早く超高齢社会の水準に達している。

Q2 23区の65歳以上の人口は、以下のどの県の総人口と同じくらい?

正解: ②長野県

20年の国勢調査では23区の65歳以上の人口は209万人(高齢化率21.5%)だった。高齢者だけで長野県の総人口204万人と同規模となる(福岡県は513万人、秋田県は95万人)。国立社会保障・人口問題研究所の推計では50年には284万人となる。
高齢化率は全国(28.6%)と比べればまだ低い。それでも40年には全ての区で高齢化率が20%を超える見込みだ。

Q3 23区の65歳以上の住宅の形態で最も多いのは?

正解: ①持ち家の戸建て

総務省の23年の住宅・土地統計調査によると、65歳以上がいる世帯の住宅は「持ち家・戸建て」(長屋建て含む)が35%で最も多いが、全国の70%と比べると半分の割合だ。 分譲マンションなどが33%、賃貸マンションなどが31%と23区は共同住宅の比率が高い。

Q4 65歳以上の一人暮らしの割合は全国では19%。23区の割合はどれくらい?

正解: ②28%

23区の65歳以上で一人暮らしの人は20年に約58万人で、15年から4万人増えた。東京都の報告書「高齢者の生活実態」の直近20年度版によると、都内の一人暮らしの人の19.8%は毎日子どもと会ったり電話したりしていた。月1回以上、子どもとの交流を維持している人は48.2%に上る。

Q5 23区の80歳以上で一人暮らしの人が1カ月に支出する平均額はいくら?

正解: ③18万円

総務省の19年の全国家計構造調査によると、内訳は食費(5万7000円)と住居費(3万5000円)を合わせると半分を占める。特に住居費は60代、70代と比べ約2万円高い。いずれの年代も月支出額は全国と比べて1万~5万円程度多い。

Q6 都内の65歳以上の夫婦のみの世帯で、貯蓄が2000万円以上ある割合は?

正解: ①32%

都の「高齢者の生活実態」の20年度版によると、世帯主が65歳以上で夫婦だけで暮らす世帯の3分の1は貯蓄(預貯金、信託、債券、株式、保険など)が2000万円以上ある。1000万円以上だと半数に上る。一方で7%は「貯蓄はない」と答えており、格差もみられる。

Q7 23区の75歳以上で仕事をしている人の割合は?

正解: ③17%

総務省の22年の就業構造基本調査によると、65歳以上は3人に1人(29.6%)が仕事をしている。75歳以上だと16.7%に下がるが、全国(11.4%)と比べると割合は高い。23区で仕事がある高齢者の所得別の人口割合は、50万~99万円が65~74歳(15.5%)、75歳以上(19.0%)とも最多だった。

Q8 23区の65歳以上の雇用形態で下の3つのうち一番少ないのは?

正解: ①正規の職員・従業員

総務省の22年の就業構造基本調査によると、23区の65歳以上の有業者のうち、雇用されている人は45万3600人に上る。半数以上(25万4500人)は非正規で雇用されている。会社などの役員は12万9000人で、正規雇用の7万100人を上回る。

Q9 23区では誰から介護を受けているケースが一番多い?

正解: ③子ども

都の「高齢者の生活実態」の20年度版によると、介護する人は子ども(約40%)、介護職員(約27%)、配偶者(20%)の順で多い。要介護(要支援含む)認定率は、75歳以上で3割、85歳以上で6割となる。

Q10 都内で特別養護老人ホームに申し込んだのに入れず、入所を待っている待機者の数は?

正解: ②2万1000人

都の調べによると、都内の特別養護老人ホームの待機者数は減少傾向にあるものの、22年は要介護3以上で2万1000人を超えた。そのうち約3000人は、介護できる身内がいないなど、都のガイドラインに基づき入所の緊急性が高いとされる。

高齢者が大勢暮らし、これからも増え続ける東京。今を生きるシニアのリアルにシリーズで迫る。