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遠い非核化
トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長は2月27、28両日、ベトナムのハノイで会談した。北朝鮮の非核化が最大のテーマで、北朝鮮は寧辺にある核施設の廃棄を提案したが、米国は寧辺以外も対象にするよう求め、合意に至らなかった。北朝鮮の核・ミサイル施設は各地に散り、全容は明らかになっていない。非核化の道のりは遠い。
北朝鮮の
核・ミサイルマップ
1950年代から原子力研究に着手した北朝鮮は核・ミサイル開発を進めてきた。戦闘機など通常兵器では韓国軍や在韓米軍に劣るため、核とミサイルの増強に集中的に取り組んできた。05年に核保有を宣言し、少なくとも10~20発の核弾頭を持つとされる。北朝鮮は核・ミサイル開発の全容を明らかにしておらず、関連施設は各地に点在している。
- 核施設
- ミサイル基地・発射場
主要な施設は?
寧辺(ニョンビョン)
北朝鮮の主要な核施設が集まっているとみられるのが北西部の寧辺(ニョンビョン)だ。原子炉や核燃料工場、研究所などがある。07年の6カ国協議でテロ支援国家指定の解除などの見返りにすべての核施設の無力化を約束した際には、日本などの査察を受け入れ翌08年に海外メディアの前で原子炉の冷却炉を爆破した。だが13年にはすべての施設の再整備と再稼働を宣言した。
寧辺の実験用軽水炉周辺で続く整備(2018年6月21日)
エアバス・ディフェンス・アンド・スペース / 38ノース提供・共同
金正恩氏は首脳会談で、寧辺の核施設を解体する用意があると表明した。見返りとして経済制裁の緩和を求めた。トランプ氏は寧辺の廃棄だけでは不十分で、ほかの核施設も廃棄する必要があるとして、溝は埋まらなかった。
東倉里(トンチャンリ)
北朝鮮が日本など国際社会にとって脅威になるのは、核だけでなく、核を運搬できる弾道ミサイルを持っているからだ。弾道ミサイルの発射場としては、中国に近い北西部の東倉里(トンチャンリ)が有名だ。
2012年に東倉里から発射されるミサイル(AP)
2016年に東倉里を視察する金正恩委員長(ロイター)
老朽化した舞水端里(ムスダンリ)基地に代わる新たな発射試験場として2000年代初めから建設が始まった。大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発で重要な役割を果たしているとみられ、「テポドン2派生型」発射実験やエンジン燃焼実験などが行われた。金正恩委員長は18年9月の南北首脳会談で、米国を含む関係国の専門家を立ち会わせた上でエンジン試験場と発射台を廃棄すると約束した。
豊渓里(プンゲリ)
核実験場として知られるのは北東部の豊渓里(プンゲリ)。2006年から17年まで計6回の地下核実験が行われた。北朝鮮は18年5月、一部の坑道を爆破し、この様子を外国メディアに公開した。米韓の専門家による立ち会い検証は実現しなかった。
2018年5月の豊渓里爆破写真(ロイター)
坑道の入り口がふさがっただけで、内部は温存されているとの指摘もある。北朝鮮は過去6回の核実験ですでに必要なデータを蓄積しているとみられ、豊渓里実験場の廃棄は、北朝鮮の核開発を止める効果はないと指摘する専門家もいる。
ほかにも多くの施設
米シンクタンクなどによると、北朝鮮がこれまで公表していない核・ミサイル施設がほかにも多くある。山間部で隠れて開発しようとしても、上空から偵察衛星が撮った画像に、施設の稼働状況が現れる。米シンクタンクは1回目の米朝首脳会談の後も作業が続いているとみている。弾道ミサイルについては、固定した発射台からミサイルを飛ばすだけではなく、車両で動かせる移動式発射機も使っており、全容の把握は難しい。
カンソン
ウラン濃縮施設とみられるカンソンの施設
Planet Labs/Middlebury Institute of International Studies at Monterey提供
米外交専門誌ディプロマットとミドルベリー国際大学院モントレー校不拡散研究センターは、平壌に近い秘密のウラン濃縮施設「カンソン」の存在を指摘する。
シノリ
新五里エリアの弾道ミサイル関連施設(2018年12月27日)
CSIS/Beyond Parallel/DigitalGlobe 2019
米戦略国際問題研究所(CSIS)は1月、新五里(シノリ)に未公表のミサイル基地があるとする報告を発表した。米朝交渉では取り上げられていないという。
サンナムニ
サンナムニ・ミサイル基地(2018年12月9日)
CSIS/Beyond Parallel/DigitalGlobe 2019
CSISは2月15日にも、新たなミサイル基地「サンナムニ」の存在を発表した。こうした未公表のミサイル基地は全土で15~20カ所稼働中という。
「完全非核化」に試練
北朝鮮にとって核武装は経済支援を引き出し、体制を維持するために簡単には手放せない切り札だ。そのため核・ミサイル開発は秘密のベールの下で行われ、18年以降の非核化交渉でも米国が求める核関連リストの提出を拒否してきた。2回目の米朝首脳会談では非核化の具体的な措置で合意できず、核物質や施設が温存されてしまう恐れが残った。「完全な非核化」は試練に直面している。