女性初異端
ホワイトハウスへの道

米大統領選2016

 米大統領選の投票日が11月8日に迫った。「女性初」の大統領を目指す民主党のヒラリー・クリントン氏か、過激な発言を繰り返す「異端」ドナルド・トランプ氏か。次のホワイトハウスの主を決める選挙戦の最終盤を追う。

民主党 ヒラリー・クリントン

現在の全米支持率 00.0

共和党 ドナルド・トランプ

現在の全米支持率 00.0

ヒラリー・クリントン

ドナルド・トランプ

左右の支持率は2016年○月○日時点。出典は米リアル・クリア・ポリティクス。写真はいずれもAP。敬称略)

 米政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」が集計した全米支持率は、クリントン氏とトランプ氏との差が最終盤で詰まってきた。選挙は全米50州と首都ワシントンの各州・地域ごとに勝者を決め、 各州に割り当てられた全選挙人538人の票のうち過半数の270票を獲得した候補が勝利する。クリントン氏が過半数に達したとの予測もあったがトランプ氏が猛追。メール問題の捜査終結の影響が注目される。

各州情勢マップ
当選ラインは270

  • クリントン優勢
  • トランプ優勢

クリントン 0

トランプ 0

過半数

得票見込み数は2016年11月8日時点日本時間
メーン州とネブラスカ州は総取りではなく票を配分する

 選挙人は各州の人口比で割り振られ、州ごとに最多票を得た候補がその州の票を全て獲得する総取り方式となる。各州は両党の伝統的なイメージカラーである民主党の「青」、共和党の「赤」で分類されるのが一般的。クリントン氏は伝統的に民主党支持者が多い西海岸や東海岸の「ブルー・ステーツ」、トランプ氏は共和党が地盤とする中部や南部の「レッド・ステーツ」で票を固めている。

勝敗決める
揺れ動く州」

  • 民主党
  • 共和党
  • 激戦州

民主党:ビル・クリントン

民主党 ビル・クリントン

WIN

共和党:ジョージ・H・W・ブッシュ

共和党 ジョージ・H・W・ブッシュ

LOSE

民主党:アル・ゴア

民主党 アル・ゴア

LOSE

共和党:ジョージ・W・ブッシュ

共和党 ジョージ・W・ブッシュ

WIN

民主党:バラク・オバマ

民主党 バラク・オバマ

WIN

共和党:ジョン・マケイン

共和党 ジョン・マケイン

LOSE

民主党:ヒラリー・クリントン

民主党 ヒラリー・クリントン

共和党:ドナルド・トランプ

共和党 ドナルド・トランプ

2016

左写真はAP

激戦州選定は2016年11月8日時点日本時間

 1992年の大統領選では民主党のビル・クリントン氏が、共和党の現職大統領ジョージ・H・W・ブッシュ氏を破って当選した。大統領選で現職大統領が出馬して敗れたのは、これが最後。クリントン氏は「It's the economy, stupid(経済最優先)」を掲げて支持を広げた。

 2000年の大統領選は共和党のジョージ・ブッシュ氏と、民主党のアル・ゴア氏が大接戦を繰り広げた。全体では一般有権者からの得票数はゴア氏が上回っていたが、人口の多い州を制したブッシュ氏が選挙人票271票を獲得して勝利した。

 2008年の大統領選では「Change(変革)」を掲げた民主党のバラク・オバマ氏が、共和党のジョン・マケイン氏を大差で破った。オバマ氏は黒人やヒスパニック系、アジア系など少数派の支持も固め、365票を獲得した。

 270票を獲得して当選するには、激戦州を制することが欠かせない。フロリダ州やオハイオ州など、世論の風向きに敏感な「揺れ動く州(スイング・ステーツ)」の戦いがカギを握る。

激戦州の最新情勢

各州の集計は11月3日~11月7日。集計日は州によって異なる。矢印は1カ月前と比べた支持率の動き。は上昇、は下落、→は横ばい

 支持率が拮抗し、選挙人数が多い大票田の激戦州の動向が選挙の勝敗を左右する。両陣営はいずれも激戦州を中心に遊説活動を展開し、 有権者に支持を訴えてきた。テレビ討論会での直接対決後、優位に立ったクリントン氏を、トランプ氏がどこまで巻き返せるかが焦点になっている。

米国の針路は?
両候補を比較

 民主、共和両党の党大会では大統領選の事実上の公約となる政策綱領が採択された。米国はどこへ向かうのか。大統領として舵を取ることになる両候補の政策を比較する。

民主党 ヒラリー・クリントン Hillary Rodham Clinton

ヒラリー・クリントン

共和党 ドナルド・トランプ Donald John Trump

ドナルド・トランプ

プロフィール

1947年10月26日
68歳
誕生日 1946年6月14日
70歳
シカゴ 生まれ ニューヨーク
エール大法科大学院修了 学歴 ペンシルベニア大学ウォートン校卒
実家は衣料品店経営。
夫はビル・クリントン元大統領。娘が1人。孫2人
家族 実家は不動産会社経営。
メラニア夫人および前妻2人との間に子供5人。孫8人
弁護士、ファーストレディー、上院議員、国務長官 経歴 不動産開発・運営(ホテル、ゴルフ場、カジノなど)、テレビ番組プロデューサー兼ホスト

最近の主な発言

  • 「日本や韓国などの同盟国とは相互防衛協定を結んでおり、我々はそれを順守するということを再確認したい」
日本
  • 「我々は日本、ドイツ、韓国、サウジアラビアなど多くの国を守っているが、彼らは対価を支払っていない」
  • 「自動車を売りさばいてくる巨大な日本を守ることはできない」
  • 「連邦税を一切払っていないことを国民に知られたくないのかもしれない」
  • 「トランプ氏が改革すると主張してきた不正な税制のシステムを、トランプ氏自身が象徴している」
トランプ氏
の納税
  • 「合法的だ」
  • 「法的に必要な額以上の税を支払う義務はない」
  • 「私のスタミナについて語るなら、112カ国を訪問して和平交渉などを行ったうえ、11時間もの議会証言をこなしてからにしてほしい」
クリントン氏
の健康
  • 「大統領になるためには、とてつもないスタミナが必要だ。クリントン氏には、それがない」

両党の政策綱領

経済
  • 富裕層に増税する
  • 石油やガスの大企業への優遇税制を撤廃
税制
  • 経済成長のための公正で簡素な税制を実現
  • 法人税率を他の主要工業国並み、またはそれ以下に引き下げる
  • 米国の雇用や賃金上昇につながらない貿易協定には反対する。TPPにもこの基準を適用する
通商
  • 米国を第一に置く貿易交渉が必要。国益を保護しない貿易協定は拒絶しなくてはならない
  • 強欲なウォール街と戦い、規制強化で巨大金融機関の解体も辞さず
金融
  • 過度な規制が経済活動を停滞させている
  • 医療保険改革(オバマケア)を守る
医療
保険
  • 医療保険改革(オバマケア)を撤回する
外交・安全保障
  • 過激派組織「イスラム国」IS)を壊滅させるため、同盟国とパートナーの広範な連合を引き続き率いる
対テロ
  • 過激派組織「イスラム国」IS)を壊滅させる
  • テロ支援国家やイスラムのテロに関連する地域から米国に入国しようとする外国人には特別に厳格な審査を実施する
  • イラン核合意を支持する
イラン
核合意
  • イラン核合意は次期大統領を縛るものではない
  • 日本への歴史的な責務を果たす
  • 北朝鮮の攻撃的行動を抑え、中国がルールに従うよう圧力をかける
アジア
  • 北朝鮮による核開発の完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄を要求する
  • 中国による為替操作は許さない
  • 米国は世界で最も強力な軍事力を保ち続けなくてはならない。より機動的で柔軟な軍備に更新し、時代遅れのシステムは取り除く
国防
全般
  • オバマ大統領とクリントン前国務長官は我が国の歴史で比べるものがないほど米国を弱体化させた。ミサイル防衛を強化し、核兵器を近代化
社会問題
  • 不法移民に市民権獲得への道を開く移民制度改革が必要。オバマ政権の大統領権限による移民制度改革を守り、実施する
移民
  • オバマ政権の大統領権限による不法移民の恩赦(移民制度改革)は撤回
  • 国境への壁の建設を支持する
  • 銃規制を強化し、殺傷能力の高い武器弾薬が出回らないようにする
銃規制
  • 個人が武器を持つ権利を堅持。銃の登録制度や半自動小銃禁止法の復活に反対する
  • 同性婚を認めた最高裁判決を称賛する
同性婚
  • 同性婚を認めた)最高裁の婚姻の再定義は受け入れない
  • 気候変動は差し迫った脅威。今後10年以内に電力源の50%をクリーンエネルギーにすることを目指す
環境
  • 気候変動は最も差し迫った国家安全保障の問題からは程遠い
制作
牛込俊介、清水明、清水正行
データ出典
米政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」

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