軽石漂流
衛星データとSNSで追う
8月13日に噴火した小笠原諸島の海底火山、福徳岡ノ場から発生した大量の軽石は、九州・沖縄を中心に大きな被害をもたらしたのち、海流に乗って沖縄県の宮古島や東京都の伊豆諸島まで到達した。黒潮によって本州に近づく可能性もあり、大都市圏に大量に漂着すれば工業生産や流通にも大きな影響が及びかねない。軽石のこれまでの漂流の軌跡と今後の到達予測について、研究機関の衛星画像分析データやSNS情報を使って追跡する。
軽石漂流の軌跡と今後の予測
- 軽石漂流の予測
- 衛星による実際の軽石の観測範囲
- SNSなどで漂着報告があった地点
軽石とは?
福徳岡ノ場では、日本ではほとんど起きていない「プリニー式」と呼ばれる噴火が起きた。噴出するのは溶岩(マグマ)ではなく大量の火山灰や軽石で、これが各地に軽石が流れ着いている原因の一つでもある。
軽石は密度が小さいため水に浮き、波に流されやすい。多く穴のあいたガラス質の火山噴出物で、白色、淡褐色、淡灰色などの明るい色をしている。産業技術総合研究所によると今回の噴火は戦後最大級の規模といい、噴出物の量は少なくとも約1億立方メートル(東京ドーム約80個分)に上ったと推定される。
噴火のメカニズムは、陸上の火山も海底の火山も同様だ。地球を覆う岩板(プレート)の下にある岩石(マントル)が熱く溶けてマグマとなり、地表付近に上がってくることで起こる。マグマは火口付近で発泡し、空気や海水など温度が低いものに触れて冷却されて固まる。
火口付近でマグマが発泡する理由は炭酸飲料で説明できる。ペットボトルに入った炭酸飲料を振って容器内の圧力を上げて栓を開けると、泡立った液体が勢いよく飛び出す。圧力の高い地底にあったマグマが火口付近に一気に押し上げられると、圧力が急激に下がり発泡する。「キャビテーション」と呼ばれる現象だ。火口からマグマが噴き出すかどうかなどで噴火の種類は異なる。
実は、福徳岡ノ場の噴火で島ができるのは、これが初めてではない。日本火山学会によると、過去約100年間で島ができては海没することを3回繰り返している。1904年、14年、86年のいずれの噴火でも島は海没している。今回の噴火でも島を形づくれるほどのマグマは噴出しなかった。
流出した軽石は、黒潮によって生まれる「黒潮反流」と呼ぶ西向きの海流にのって、沖縄や奄美大島(鹿児島県)や伊豆大島(東京都)に流れ着いた。今後、黒潮にのって日本の太平洋沿岸に広がる可能性がある。
タイムライン
年が明けても湾内に残る軽石 沖縄・今帰仁村
@rhodochrosite_tさんが投稿した写真。「2022年になっても福徳岡ノ場の軽石は最盛期と比べて範囲は狭くなっていながらも生き残ってますね。 沖縄本島の軽石全部ここに集めてる?ってくらいの軽石」とつぶやいた。沖縄県今帰仁村の上空を飛ぶ航空機の中から撮影した写真には、名護市の屋我地島の湾が軽石で埋め尽くされている様子が写っている。
砂浜に積み上がる黒い袋 沖縄・北谷町
@penpenarielさんが投稿した写真。砂浜には番号が書かれた黒い袋が大量に積み重なっている。「直感的に中身は軽石だと思った。袋が数え切れないほど並んでいる光景に驚いて撮影した。まだ海に漂う軽石や、集めても置く場所がなくビーチに仮置きされている現状など、沖縄ではこれから解決すべき問題も山積みだ」と話した。
観察のため塩抜き 和歌山・串本町
@Henmiliteさんが投稿した写真。「串本の浜辺に流れ着いた軽石、砂を洗い流したあと、お風呂場でぬるま湯を流しながら塩抜きしているのですが、どれだけしたらいいのか分かりません」とつぶやいた。軽石の中に入っている輝石などを観察するためだという。
沖縄・宮古島市の砂浜に黒い軽石
@masahiron0515さんが投稿した写真。「とうとうここまで来たんだなーと思いました。自然が起こすこととはいえ、キレイな砂浜なので残念に思いました」と話した。沖縄県宮古島市にある池間島の砂浜に黒い軽石が打ち上げられている。
沖縄・名護市の内海を上空から撮影
@hryamachanさんが投稿した写真。「那覇空港着陸直前の、沖縄本島北部上空からの景色です。湾の内側は軽石で埋め尽くされています。実際自分の目で見ると衝撃的です」とつぶやいた。沖縄県名護市の羽地内海が、軽石らしきもので茶色くなっているのが見える。
奄美の軽石をアートに 東京のアーティスト
アーティストの@BotanicalMorikoさんが投稿した写真。奄美大島の友人から入手した軽石にペイントし、インテリア作品に仕上げた。制作場所は東京。「話題の軽石を頂いたので、色を塗って何か出来るか考えてみました」とつぶやいた。
撤去作業のため遊泳禁止 沖縄・宜野湾市
@JulianaCaesarisさんが撮影した写真。軽石撤去作業のためビーチは立ち入り禁止に、「海にいけなくて残念でした」と話した。
和歌山・串本町の漁港に漂着
和歌山県の東牟婁振興局は13日、串本町の漁港で軽石が漂着しているのを確認した。
沖縄・恩納村のプライベートビーチ
@salspinさんが投稿した写真。「泊まってるホテルのビーチにも軽石が漂着してた」とつぶやいた。
軽石が残る砂浜 沖縄県大宜味村
@NecoWakuさんが投稿した動画。「まだまだ積もっているが、10月末と比べて打ち上がっている軽石は、ある程度減ってきている」とつぶやいた。波によって流出したり、再び打ち上げられたりの繰り返しだという。映像では今も波間に軽石が漂っているのが見える。
軽石の漂着続く伊豆大島
@itoht2さんが投稿した写真。「今日の伊豆大島弘法浜、軽石状況。漂着量は増えていないもよう。砂が覆いかぶさってきて、一部が埋もれかかっている」とつぶやいた。
沖縄・名護市の景勝地埋め尽くす軽石
@deepa33さんが投稿した写真。「4日は波打ち際に軽石が寄せていたが海全体を見渡す事ができた。5日の朝には軽石で埋め尽くされ呆然(ぼうぜん)とした」と撮影時の様子を話した。沖縄県名護市の景勝地である羽地内海が軽石で埋め尽くされています。
沖縄県恩納村の村道 回収した軽石が山積み
@OIST_KonoLabさんが投稿した写真。沖縄県恩納村の海沿いの道に、軽石が入った土のう袋が積み上げられている。恩納村役場建設課の担当者によると、「撤去した軽石をどのように処分するか決まっておらず、村道に仮置きしている」という。
河川を埋め尽くす軽石 沖縄県浦添市
@nstshr2さんが沖縄県浦添市で撮影した河川の写真。河口から数百メートル上流まで軽石が大量に流れ込んでいる。
静岡で漂流軽石を確認
静岡県は2日、同県内の港で海底火山「福徳岡ノ場」の噴火で発生したとみられる軽石の漂着を確認したと発表した。7日時点では大きいもので1.5センチメートル程度の軽石が13の港で見つかっている。同県は軽石の流入を防ぐためのオイルフェンスを下田港(下田市)や妻良漁港(南伊豆町)に設置するなどして対応を急いでいる。
国交省、千葉・館山で漂流軽石を回収
国土交通省関東地方整備局は2日、館山港(千葉県館山市)の沖合で100個程度の軽石を回収したと発表した。大きさは直径1センチから3センチほどで、巡回中の船が発見した。現時点では海底火山「福徳岡ノ場」の噴火で発生したものかは分かっていない。同局は関東周辺で軽石の漂着が確認されたことを受け、近畿地方整備局と四国地方整備局と協力して軽石の監視作業にあたっている。
国交省、千葉・館山で軽石の回収訓練
国土交通省関東地方整備局は30日、伊豆諸島(東京都)などへの軽石漂着を受け、館山港(千葉県館山市)の沖合で軽石の回収訓練を実施したと発表した。水上に浮かべた軽石に見立てたピンポン球200個を、作業船2隻の間に張った長さ100メートルのオイルフェンスで集め、網を使って回収した。同局は「東京湾への大量流入を防ぐための訓練で、オイルフェンスで軽石を回収する時に最適な船の速度などを確かめた」と説明した。
波間に漂う軽石 伊豆大島沖
@P_kobaさんが伊豆大島の南側で釣り船の上から撮影した写真。「現時点では船舶の航行に支障となるほどではない」というが、今後も注意していくと話した。
千葉県館山市の港に軽石漂着
@bay_haseさんが投稿した写真。「千葉県館山の坂田港にも軽石が流れ着きました! 大きいもので2cmほど」とつぶやいた。
茂木幹事長、沖縄で軽石被害を視察
自民党の茂木敏充幹事長は28日、大量の軽石が漂着した沖縄県を訪問し、うるま市の漁港の被害状況を視察した。沖縄市で開いた地元観光業関係者との車座対話では、2021年度補正予算案で軽石撤去の関連費用を盛り込んだと説明した。
三宅島の漁港 オイルフェンスの外に軽石
@suggertaroさんが投稿した動画。「湯の浜漁港は漁港内に軽石が入り込んでいました。 西風強いから位置的に仕方がないけど、風が変わったらまた沖に出ていきそう。 ここはオイルフェンスあったお陰で漁船への被害は大丈夫そう」とつぶやいた。
鎌倉で漂流軽石
専門家「福徳岡ノ場由来の特徴」
海底火山が専門のオーストラリア・タスマニア大学の池上郁彦氏が24日、神奈川県鎌倉市の海岸で実施した調査で福徳岡ノ場の噴火に由来する軽石を発見した。発見した軽石には福徳岡ノ場由来のものに特徴的な色と鉱物がみられ、10月下旬に鹿児島県の奄美諸島付近を通過したものが流れ着いている可能性が高いという。池上氏は「現時点で沖縄に漂着している軽石が今後関東に漂着する可能性があり、より一層の注意が必要となる」と語った。
フィリピンでも軽石発見
フィリピン火山地震研究所は23日、フィリピン最北部のバタン島に福徳岡ノ場の噴火に由来する軽石が漂着したと発表した。21日にも同島と、隣接するサブタン島に軽石が漂着していたという。画像は欧州宇宙機関(ESA)が公開している23日のサブタン島付近の衛星写真。中央部の海上に浮遊する軽石の帯が見える。
宮古島で漂流軽石を確認
第11管区海上保安本部は20日、宮古島(沖縄県宮古島市)の浦底漁港と東平安名岬沖などで軽石を航空機から確認したと発表した。同保安本部は「宮古島で軽石の漂流を観測したのは初めて」と説明する。同島周辺では他にも大量の軽石が漂流している海域があるという(20日撮影)。
伊豆大島沖などで漂流軽石を確認
第3管区海上保安本部は18日、伊豆諸島の伊豆大島(東京都大島町)の沖合約6.4キロの海域で軽石とみられる漂流物を航空機から確認したと発表した。三宅島(同三宅村)の沖合約50キロの海域でも見つかっており、他の海域でも広く漂流している可能性があるという。筋状または塊の状態で、同保安本部は「長いものは500メートルに達している」と話す(18日撮影)。
東京都、軽石対策でオイルフェンス設置
東京都は18日、伊豆諸島に軽石が漂着する可能性が出ていることを受け、神津島港(東京都神津島村)と御蔵島港(同御蔵島村)にオイルフェンスを設置した。長さはそれぞれ60メートル、40メートルほど。都港湾局の担当者は「ポリエステル製のフェンスは目が非常に細かく、軽石にも対応できる」と説明する。都では他の島嶼部でも同様のフェンスを設置する準備を進めている。写真は神津島港(18日撮影)。
JAMSTEC、新たな漂流予測を公開
海洋研究開発機構(JAMSTEC)は軽石の漂流シミュレーションを新たに公開した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の衛星で11月上旬に観測された軽石の位置を元に、12月初旬までの約2週間、海流に乗って移動するコースを予測した。スーパーコンピューターによるシミュレーションでは、高知沖にあった軽石は11月20日すぎに伊豆諸島付近に一定のかたまりで接近する。現在観測されている北からの風も考慮し、関東や東海の比較的沖合を通過する見通しとなった。
三宅島の浜に軽石が漂着
@suggertaroさんが三宅島西部の浜で撮影した写真。「これからどれぐらい漂着するのかドキドキ」とつぶやいた。
マンタの排せつ物に軽石
水中写真家の茂野優太さんが沖縄県の久米島沖で泳ぐマンタを撮影したところ、排せつ物の中に軽石とみられるものが交ざっていた。茂野さんは「マンタは水面近くのプランクトンを餌とするため、浮いている軽石を食べてしまったのかもしれない。海の生き物にも影響が出始めていると衝撃を受けた」と振り返る。
式根島で漂着した軽石を回収
東京都の小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」の噴火で発生したとみられる軽石が10日、伊豆諸島の式根島(東京都新島村)にある式根島港に漂着しているのが確認されて回収された。
糸満市で軽石漂着
@tumetainabe888さんが投稿した写真。沖縄県糸満市で撮影。手のひらからはみ出すほどの大きさだ。
宜野湾市でも軽石被害
@kisuke_iromushiさんが投稿した写真。沖縄県宜野湾市で撮影。
港で撤去作業に追われる住民
@morimoribuddy3さんが沖縄県名護市で撮影した動画。「役場には触るなと言われたが、何とかしないといけない」と、自ら船に乗り網で軽石をすくい取る。
国交省が軽石回収技術の検討会を開催
国土交通省は11月5日、漂流する軽石の回収技術を検討するワーキンググループを開いた。11月中をめどに効果的な回収技術の検討結果をまとめる方針。同省港湾局の浅輪宇充局長は「すでに漂流軽石が四国沖に到達しているとの情報もある。可能な限り早急に検討結果をとりまとめる必要がある」と話した。
足摺岬沖に漂流軽石を発見
第5管区海上保安本部は10月30日、高知県足摺岬の沖合約146キロで軽石の漂流を確認した。画面中央部、淡く筋状に見えているのが軽石。画像は欧州宇宙機関(ESA)が公開している衛星写真(10月30日撮影)を日経が加工した。
沖縄北西部に軽石漂着
@ArthurWesthugel さんが投稿した写真。「瀬底島(沖縄北西部)の砂浜にやってきました。これが今世間を騒がせている軽石ですか…」と呟いた。
南城市の海に軽石
@ci_cicadaさんが投稿、「軽石ウォッチするクロサギ」とつぶやいた。(沖縄県南城市)
リゾート施設の海岸を覆う軽石
@naoyanstarさんが沖縄県恩納村のリゾート施設で撮影した投稿写真。「部屋から見える海、最初は砂浜かと思いましたが、軽石です。 来月には関東にも漂着するらしいです。 どうなる事やら」とつぶやいた。
政府が軽石被害について説明
磯崎仁彦内閣官房副長官は10月29日の記者会見で軽石の漂着状況について、28日時点で鹿児島県の19港、沖縄県の11港で軽石が確認されたと明らかにした。軽石の影響で使えなくなった港があるほか、40の漁船が被害を受け、うち6隻が航行不能の状態になったという。軽石が原子力発電所の冷却に使う取水設備に影響を与える可能性があることから、原子力規制事務所を通して事業者への注意喚起も行ったとしている。
政府が省庁対策会議を設置
政府は10月28日、東京都の小笠原諸島にある海底火山「福徳岡ノ場」の噴火で噴出した軽石の被害に関し、環境省や水産庁、海上保安庁などからなる関係省庁対策会議を設置した。同日開かれた1回目の会議では被害状況を共有するとともに地方公共団体と連携して対応することを確認した。
JAMSTEC、軽石漂流予測を公開
海洋研究開発機構(JAMSTEC)は10月28日、スーパーコンピューターで作成した軽石の漂流シミュレーションをホームページ上で公開した。11月初旬~中旬に黒潮に乗って九州から四国沖を漂流する恐れがあるとするもので、シミュレーションを作成した美山透主任研究員は軽石の今後の動向について、「関東と東海に近づきやすい。陸地近くまで到達する可能性がある」と指摘している。
沖縄で軽石漂流が本格化
欧州宇宙機関(ESA)の衛星画像で見ると、沖縄県北部沖で筋状になった軽石が大量に浮遊していることがわかる。軽石の部分が目立つよう日経が色彩を調整・加工した。
沖縄の漁港を埋め尽くす軽石
@1456ishibashiさんの提供写真では、沖縄県国頭村の辺土名港は軽石で完全に覆われている。
巡視艇が軽石を吸い込み航行不能に
中城海上保安部(沖縄県沖縄市)の巡視艇しまぐもが10月23日、海中に漂う大量の軽石をエンジンの冷却装置に吸い込み、糸満市の沖合約55キロで航行不能になった。海上保安庁は「過去に前例のない出来事だった」と説明する。
奄美大島に漂着
@amami_ebi_metalさんが鹿児島県の奄美大島名瀬小湊で撮影した写真では、漁港の水面が半分近く軽石で埋まっている。「漁船のエンジントラブルに繋がる恐れがあるので漁に出る事もできないようです。 きれいに取り除く良い方法があると良いのですが…」と心配そうにつぶやいた
喜界島の砂浜が軽石で埋まる
@piayano_trip さんが撮影した鹿児島県喜界島の砂浜。軽石で埋め尽くされている。「軽石初めてみた!!思っていたより小さい&もろい!何かに使えないかなぁ?」と話した。
与論島の海岸 「はじめは理解できない光景」
@jacky_top_2019さんの写真。生まれ育った鹿児島県与論島の海岸が、軽石で覆われている。「いつもは白い砂浜が黒くなっている光景を、はじめは理解できなかった」とつぶやいた。
軽石漂着の報告が広がり始める
@rhodochrosite_t さんが沖縄県の北大東島で撮影した投稿写真。「大きいものでも5cm程度でしょうか。 長い距離を旅してきて、海岸で波に揉まれていただけあってかなり丸くなっています。 軽石の斑晶として黒色の火山ガラスと結晶面の見える輝石?のような鉱物がありました」とつぶやいた。
北大東島に軽石が漂着
@manpuku_daito さんの沖縄県の北大東島で撮影した映像。ツイッターの投稿からは、「北大東島に打ち上げられた軽石。ヤバい事になってる:(;゙゚'ω゚'): 」と驚きの様子が伝わってくる。
海上保安庁が新島を確認
海上保安庁は8月16日、福徳岡ノ場の噴火で新島を確認したと発表した。馬ていのような形で、直径は約1キロメートル。噴出した火山灰や軽石が降り積もったことで島を形成したとみられる。福徳岡ノ場では、有史以来過去3度新島が形成された。いずれも波にのみ込まれて海没している。溶岩の噴出が少なく、頑丈な陸地を作れなかったためだ。
小笠原諸島・父島から見える噴煙
@misoka_fumitukiさんがTwitterに投稿した写真。東京都・小笠原諸島の父島で撮影した、「福徳岡ノ場」の方角に立ち上る噴煙と火山雷。「ペルセウス座流星群を撮影しようとしていた。遠く硫黄島方面に稲妻が走っているのを発見して撮影した」と話す。
海底火山「福徳岡ノ場」で大規模噴火
東京都の小笠原諸島の南硫黄島から北東に約5キロメートル離れた海底にある火山「福徳岡ノ場」が8月13日、大規模な噴火を見せた。「プリニー式噴火」と呼ぶ現象で、日本では、20世紀には2度しか起きていない。1929年の北海道駒ケ岳の噴火以来92年ぶりだ。プリニー式噴火は、溶岩は流れずに火山灰と軽石を噴き出す。