
参院選2019
データ分析
第25回参院選は自民、公明両党が改選過半数を超す71議席を得て勝利した。野党は立憲民主党が議席数を伸ばす一方で、国民民主党は改選議席を割った。開票結果や出口調査のデータを用いて選挙を分析した。
Result
- 全議席
- 245
- 過半数
- 123
- 改選枠
- 124
野党など
53
Total : 104
与党
71
Total : 141
自民
今回 57
非改選 56
新勢力 113
公明
今回 14
非改選 14
新勢力 28
立民
今回 17
非改選 15
新勢力 32
国民
今回 6
非改選 15
新勢力 21
共産
今回 7
非改選 6
新勢力 13
維新
今回 10
非改選 6
新勢力 16
社民
今回 1
非改選 1
新勢力 2
れ新
今回 2
非改選 0
新勢力 2
N国
今回 1
非改選 0
新勢力 1
無所属
今回 9
非改選 8
新勢力 17
野党共闘、効果に濃淡
選挙の勝敗のカギを握る改選定数1の1人区は、自民が22勝、野党系が10勝だった。立憲民主、国民民主、共産、社民の野党4党は全選挙区で候補者を一本化して臨んだが、共闘効果の度合いには濃淡がある。
計算式
1人区統一候補の得票
共闘4党の比例代表得票
100%
選挙区ごとに野党統一候補の得票数と野党4党の比例代表の得票数の合計を比べ、野党4党の支持者をどれだけしっかり固め、積み増しているかをみた。野党統一候補が幅広く支持を広げ、得票が4党の比例票を大きく上回った選挙区がある一方、唯一の共産党公認候補だった福井県など4党の支持者を固め切れなかったケースもみられた。
全世代で自公優勢
共同通信の出口調査をもとに各年代だけで当選者を選んだら与野党の配分がどうなったかを試算してみた。
(単位)議席数
- 自公
- 自公以外
全ての年代で自公が優勢になっている。60歳代のみで自公が60議席台と他の年代より少なくなっている。
都道府県ごとに分析すると…
選挙区ごとに試算すると、接戦だった岩手県や宮城県などで若年層と高齢者層で選ぶ候補者が異なった。投票率は高齢者の方が高く、高齢者の選択が実際の結果に影響した選挙区が多い。あなたの選挙区ではどうだっただろうか。
都道府県を選択
左から得票数順に表示
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年代差のある県
左から得票数順に表示
実際の 当選者 | 10歳代 | 20歳代 | 30歳代 | 40歳代 | 50歳代 | 60歳代 | 70歳代以上 |
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与党はどこで勝ったのか
1人区は与野党で勝った方、複数区は勝った人数の多い方で色分けすると与党は前回に続いて東北や信越などで苦戦する一方で、西日本は着実に議席を奪ったことがわかる。
都道府県別の議席数
多かった方は
- 自公
- 同数
- 自公以外
2019
2001
2004
2007
2010
2013
2016
2001
小泉内閣発足後、初の国政選挙。自民党が当時27あった1人区のうち25選挙区で勝ち、単独過半数を突破して大勝した。
2004
年金問題と自衛隊のイラク派遣で内閣支持率が下がった。民主党が3人区の神奈川や愛知で2議席目を獲得するなど躍進し、改選数で自民党を上回った。
2007
民主党は29の1人区のうち17選挙区で勝利し、参院第1党に躍進。自民党が歴史的敗北を喫し、与党が参院で少数になった。安倍首相はその後退陣した。
2010
民主党政権で初の大型国政選挙だった。自民党が1人区などで議席を取り戻し、再び参院第1党に返り咲き、参院で与党少数の「ねじれ国会」になった。
2013
政権に返り咲いた安倍首相率いる自民党が31の1人区のうち29選挙区で勝利する圧勝をおさめた。民主党は改選5の東京で議席を失うなど歴史的大敗だった。
2016
自民党が改選過半数を得た。環太平洋経済連携協定(TPP)署名などを受け、東北では野党が6県中5県で自民候補を破るなど善戦した。
「1人区」、
自民22勝10敗
与野党が1議席を争う1人区は参院選全体の結果を左右してきた。今回の参院選は自民党が前回から1増の22選挙区で勝利した。野党4党は16年に引き続き候補者を一本化して臨み、前回に近い水準まで積み上げた。
- 自公
- 自公以外
比例代表で諸派当選
自民が19議席と他党を圧倒した。野党は立憲民主党の8議席が最多だった。野党勢力の弱体化の間隙を突き、山本太郎氏率いる「れいわ新選組」が2議席、「NHKから国民を守る党」が1議席を得た。「諸派」の議席獲得は非拘束名簿式を導入した2001年以降で初めて。
投票率
投票率は1995年の44.52%に次いで参院選で2番目に低くなった。47都道府県のうち21県で過去最低を更新した。最も低かったのは徳島県の38.59%、最も高かったのは山形県の60.74%だった。
当選者の平均年齢
平均年齢は54.37歳とわずかに下がった。最多は50歳代の40人(32%)。30歳代は6人と全体の5%にとどまった。自民党の平均年齢は57.4歳で、立憲民主党や公明党の49歳などと比べて高い。
新人の当選者比率
新人の当選者は40人で、全体に占める比率は32.3%だった。自民、公明両党の長期政権のもとで安定ぶりが際立ち、現職が63.7%を占めた。新人が多かったのは立憲民主党で、17人中11人だった。
女性の当選者比率
女性の当選者数は28人で過去最高の2016年に並んだ。改選定数が増えたため全体に占める比率は低下した。「政治分野における男女共同参画推進法」が成立し、候補者の女性比率は28.1%と過去最高だった。
比例代表の
高得票当選者ランキング
全国郵便局長会出身の自民党の柘植芳文氏が首位で集票力の強さをみせた。公明党の現職候補も上位に並んだ。
1 |
![]() | 柘植 芳文 | 自民 | 60.0万票 |
2 |
![]() | 山本 香苗 | 公明 | 59.4万票 |
3 |
![]() | 山田 太郎 | 自民 | 53.9万票 |
4 |
![]() | 山本 博司 | 公明 | 47.1万票 |
5 |
![]() | 若松 謙維 | 公明 | 34.2万票 |
写真は共同
比例代表の
低得票当選者ランキング
首位は公明党の塩田博昭氏。共産党の候補が2~4位を占め、日本維新の会の候補も上位に目立った。共産や維新は個人名よりも政党名の投票が多い傾向がある。
1 |
![]() | 塩田 博昭 | 公明 | 1.5万票 |
2 |
![]() | 紙 智子 | 共産 | 3.4万票 |
3 |
![]() | 井上 哲士 | 共産 | 4.2万票 |
4 |
![]() | 山下 芳生 | 共産 | 4.8万票 |
5 |
![]() | 柳ケ瀬 裕文 | 維新 | 5.3万票 |
写真は共同
比例代表の
高得票でも落選した人
「特定枠」候補2人が優先して当選したため、れいわ新選組の山本太郎氏が個人得票が最多で落選した。国民民主は当選枠を3人しか確保できず、当選常連の労組系候補が涙をのんだ。
1 |
![]() | 山本 太郎 | れ新 | 99.2万票 |
2 |
![]() | 石上 俊雄 | 国民 | 19.2万票 |
3 |
![]() | 田中 久弥 | 国民 | 14.3万票 |
4 |
![]() | 比嘉 奈津美 | 自民 | 11.4万票 |
5 |
![]() | 中田 宏 | 自民 | 11.2万票 |
写真は共同
- 当選
- 10
- 20
- 30
- 40
- 50
- 60
- Over
70
上から得票数順に表示