2018年度の与党税制改正大綱では、所得税改革が焦点となった。増税となるのは高所得層だ。ポイントをまとめた。
年収1200万~2000万円なら6.5万円増
(万円)
所得税改革は給与所得控除を一律10万円減らし、控除額の上限も220万円から195万円に下げるのが柱。基礎控除は一律10万円上乗せするが、年間所得が2400万円を超えると控除額を段階的に減らしていき、2500万円を超えたところでゼロにする。
負担が増えるのは年収850万円超の会社員世帯だ。例えば1000万円では年4.5万円、およそ1200万~2000万円では6.5万円の負担増。3000万円なら31万円に跳ね上がる。
子育て世帯や介護世帯は対象外。ただし年金収入が1000万円超か、年金以外の所得が1000万円を超える高齢者は増税になる。
増税は会社員の4%
年収850万円以下
年収850万円超
増税230万人、給与所得者の4%。
子育て・介護世帯は除外
増税対象者は給与所得者の4%程度にあたる230万人。高齢者では年金以外の所得が1000万円を超える20万人と年金収入が1000万円超の3000人が増税対象となる。
(万人)
所得別の納税者分布をみると、800万円以下が9割超を占める。
与党は会社勤めではなくフリーで働く人たちが増えており、会社員を想定した所得税の仕組みを見直したとしている。
待ち受ける個人への増税
2018 | 1月 | 配偶者控除見直し |
10月 | 紙巻きたばこを1円増税(4年かけ3円増税) | |
2019 | 1月 | 国際観光旅客税1人1000円を徴収 |
春〜夏 | 統一地方選・参院選 | |
10月 | 消費税率が8%から10%に | |
2020 | 1月 | 所得増税実施 |
7月 | 東京五輪開催 | |
10月 | ワインや第三のビールを増税 | |
2024 | 4月 | 森林環境税を導入 |
所得増税は2020年1月に実施。その3カ月前には消費税率が8%から10%に上がる。
18年1月に配偶者控除は見直され、38万円の控除を受けられる年収上限が103万円から150万円になる。しかし、夫の年収が1220万円を超える専業主婦世帯の控除額はゼロで、増税になる。
出国時に1人1000円を徴収する国際観光旅客税、1人年1000円を個人住民税に上乗せして徴収する森林環境税……。20年東京五輪にかけて様々な増税がやってくる。
- 取材・制作
- 逸見純也、藤川衛、安田翔平