巨大スポーツ組織、FIFAの姿

写真:ゲッティ共同

巨大スポーツ組織、FIFAの姿

国際サッカー連盟(FIFA)が幹部によるワールドカップ(W杯)の開催地決定を巡る贈収賄疑惑で揺れている。オリンピックに並ぶスポーツの祭典を主催するパワーを持ち、2014年のブラジル大会まで開催するごとに収入規模が巨大になってきた。放映権料、企業からのスポンサー契約料を基盤にしており、世界的なサッカー人気の広がりが拡大を支えてきた。

ブラジル大会の収入は日韓大会から倍増

FIFAの収支は4年ごとに開催されるW杯を中心に動く。直近のブラジル大会までの4年間(11~14年)の収入は57億1800万ドル(約7100億円)。14年単年に限っても、20億9600万ドル(約2600億円)で、日韓大会(02年)からほぼ倍増した。この収入を元手にして、大規模な大会運営や振興プロジェクトを成功させてきた。11〜14年の支出は53億8000万ドル(約6700億円)。収入から支出を差し引いた残りを積み立てており、14年末まで15億2300万ドル(約1900億円)まで増えた。

放映権とスポンサー契約がツートップ、五輪を追撃

  • 五輪
  • W杯

収入を支えるのが放映権、企業とのスポンサー契約の2本柱だ。11~14年のFIFAの収入全体の7割超を占める。ブラジル大会(14年)の放映権収入は、1998年のフランス大会と比べて約15倍に急増した。スポンサー契約収入も10倍になっており、グローバル展開する企業にとって宣伝効果が極めて高いビッグイベントに変貌した。

商業化に拍車がかかるのは、オリンピックと似通う。ただ、オリンピックは夏季、冬季をあわせれば30競技を超えており、サッカーだけのW杯は規模の大きさが際立つ。例えば、スポンサー契約収入。02年に開かれたW杯の日韓大会が約5億ドル。ちょうど時期が重なる五輪はソルトレークシティー大会(02年冬季)、アテネ大会(04年夏季)をあわせて約15億ドルで、ざっと3倍の開きがあった。直近ではバンクーバー大会(10年冬季)、ロンドン大会(12年夏季)の合計が約28億ドル、ブラジル大会は約15億ドルでその差は2倍を切る。

放映権収入の拡大、新興国のサッカー熱がアシスト

※単位は億ドル

地域別の放映権収入では、サッカーが文化として定着する欧州が最も大きい。急拡大するのがアジア、アフリカなど新興国だ。アジア、アフリカ地域からの放映権収入は14年が約2.2億ドルで07年から2.5倍になった。07年は欧州と比べて3割程度にとどまったが、14年は74%の規模になり勢いづく。FIFAはこうした地域で重点的に施設整備を進めるため、資金援助してきた経緯がある。11~14年に10億5200万ドル(約1300億円)を投じた。辞意を表明したブラッター会長がリード役を果たしており、支持母体にもなっている。

取材・制作:森園 泰寛、今村 大介、松本 千恵、清水 明
データ出典:FIFAとIOCの資料から作成

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