アジアの世紀 データでみる実力

 アジアから世界を舞台に活躍する人材が続々と登場している。14億人に迫る中国、13億人のインド、6億人を超す東南アジアといった人口規模の大きさに加えて「世界の成長センター」と呼ばれるようになった経済の高成長が人材輩出を支えている。「世界の中のアジア」の位置づけを、ビジュアルデータで追ってみよう。

グローバル企業 変わるアジアの勢力図

  • アジア
  • その他

米フォーチュン誌の「グローバル500企業」を国・地域別にグラフ化した。四角形の大きさは国・地域別や各社の売上高(ドルベース)を示し、国・地域をクリックすると企業の内訳が見られる(再度クリックすると国・地域別表示に戻る)。再生ボタンを押すと1995年以降の推移を自動で再生。途中で停止ボタンを押し、左右のスライドで年を自由に選ぶこともできる。社名や国・地域別の表記はフォーチュン誌に準拠した。

 「アジアの時代」の到来を端的に示すのがアジア企業の台頭だ。米フォーチュン誌の「グローバル500企業」を売上高で見ると、1995年にランクインしたアジア企業は162社。1ドル=80円を切る超円高がドルベースでの数字をかさ上げしたこともあり、日本企業は148社が入り、上位4位までを三菱商事など総合商社が独占した。日本以外のアジア企業はわずか14社にすぎなかった。

 それから20年たった2015年、様相は様変わりした。アジア企業は190社と約2割増えたが、目を見張るのはその内訳だ。日本企業は3分の1の54社に激減し、トップ10入りも9位のトヨタ自動車のみ。これに対し、日本以外のアジア企業は136社へ急増。トップ10に国営石油会社など3社を送り込んだ中国の98社のほか、韓国や台湾、インド、東南アジア勢も入り、アジア全体の成長けん引役の交代を印象づけている。

欧米のGDPシェア奪う アジアの成長力

  • アジア
  • 欧州
  • 米国
  • その他

1979年までは英経済学者アンガス・マディソン氏、80年以降は国際通貨基金(IMF)のデータ。アジアは東アジアと南アジア、東南アジアの26カ国・地域、欧州は54カ国。カーソルを合わせると各年の世界に占めるGDPシェアを表示する。

 中国、インドの二大人口大国を擁するアジアは、ずっと世界人口の過半を占め続けてきた。「数は力」であり、英経済学者のアンガス・マディソン氏によると1820年の世界の国内総生産(GDP)の57%は日本を含めたアジアだった。ところが18~19世紀の産業革命を境に、工業化で先行した欧米に追い抜かれる。第2次世界大戦直後の1950年のアジアの比率は17%。欧州(39%)や米国(27%)に差をつけられた。

 その後の経済復興はまず日本がけん引。1980年代には韓国や台湾、香港、シンガポールの「新興工業経済群(NIES)」が発展し、マレーシアやタイが続いた。1990年代後半以降は中国とインドが急成長した。この結果、アジアは2009年に米国を再び抜き、2015年には欧州をも上回った見込み。足元で31%まで盛り返した世界に占める割合が、2050年にかけて再び5割へ高まるとの予測もある。

中国、インド… 経済・人口規模こう変わった

  • 日本
  • 中国
  • 韓国
  • インド
  • 東南アジア主要6カ国

横軸は総人口、縦軸はGDP成長率(実質)、円の大きさはGDPの額(名目)を示し、アジアの主な国と東南アジア主要6カ国の経済・人口規模の推移をグラフ化した。再生ボタンを押すと1980年以降の推移を自動で再生。途中で停止ボタンを押し、左右のスライドで年を自由に選ぶこともできる。

 「グローバル500企業」の欄で見たようなアジアの中の勢力図の変化は、各国のマクロ指標からも読み取れる。1980年の日本の国内総生産(GDP、名目値)は1兆870億ドルで、中国とインド、東南アジア主要6カ国(インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン、シンガポール、ベトナム)を合計した7283億ドルを大きく上回っていた。1990年時点でも日本が3兆1037億ドル、中・印・東南アは1兆869億ドル。後者は10年前の日本の水準に到達したものの、日本はバブル期の高成長を経てむしろ後続を引き離した。

 ところがバブル崩壊後に日本が長期低迷期に入る一方、1990年代の中・印・東南アは高い成長を記録して差を縮めた。そして2006年、ついに中・印・東南アは日本を追い抜き、2009年には中国単独でも日本を抜き去る。

 国際通貨基金(IMF)の予測では2020年の中・印・東南アのGDPは23兆9455億ドルと日本(4兆7469億ドル)の5倍に達する見通しだ。人口が減少し始めた日本とは違い、アジアの中でもとりわけインドは人口増加のペースが速い。人口増がさらなる経済成長に拍車をかけている。

取材・制作鳳山太成、山崎純、鎌田健一郎、清水明、清水正行、山崎亮

Visual Data 一覧へ戻る