外国人観光客、
どこへ行く? 何を買う?

JAPAN AND THE WORLD NIKKEI・FT共同特集

スクロール

 外国人観光客は、日本のどんなところに魅力を感じているのだろうか。この数年、右肩上がりで増えている訪日外国人。どの国からやって来て、日本のどこへ向かい、どんなことにお金を使っているか。データで探ってみよう。

どれくらい増えた?

2015年は過去最高、
2000万人に迫る

 2015年、日本にやって来た外国人は1900万人を突破し、前年と比べて4割以上増えた。訪日外国人数は、東日本大震災が発生した2011年に落ち込んだものの、その後は年々回復。円安で日本での買い物が割安になったこと、査証(ビザ)の発行要件が緩和されたことなどが追い風だ。政府の目標は2020年に2000万人。すでに達成間近なことから、さらに高い目標設定を検討している。

どこの国・地域から来た?

総数1位は中国、ベトナムは10年で8倍以上に

    訪日外国人の国・地域別割合

    10年間の伸び率で比べると

     国、地域別で見ると、2015年にもっとも多く日本を訪れたのは中国人。14年の3位から順位を上げてトップになった。05年と比べた伸び率ではベトナムが1位。中国と比べた総数は約27分の1と少ないが、この10年間で訪日客数は8倍以上増えた。日本政府がベトナム人へのビザの発行要件を緩和したことなどが背景にある。

    日本にいる間、どこに泊まる?

    1年前より佐賀県は2.6倍、三重県は2.5倍

    外国人の延べ宿泊者数

    総数の順位を見る 伸び率の順位を見る
    総数の順位 2015年(1-10月、単位:人) 伸び率の順位 2015年の前期比(倍)

    「宿泊先2位」でわかるお国柄 中韓は大阪、タイは北海道…

    2014年

    韓国 中国 米国 カナダ 英国 シンガポール タイ
    1 東京都 東京都 東京都 東京都 東京都 東京都 東京都
    2 大阪府 大阪府 京都府 京都府 京都府 北海道 北海道
    3 福岡県 千葉県 大阪府 大阪府 神奈川県 大阪府 大阪府
    4 沖縄県 北海道 神奈川県 千葉県 大阪府 千葉県 千葉県
    5 北海道 愛知県 千葉県 神奈川県 千葉県 京都府 山梨県

     押し寄せ始めた外国人は、日本のどこに向かうのか。観光庁の宿泊旅行統計を探ると、地域差が見えてくる。都道府県別の延べ外国人宿泊者数は、やはり東京都がトップ。ただ、伸び率に注目すると地方への広がりがわかる。

     15年(1―10月)を前年同期と比べると、佐賀県が伸び率で1位になった。増えた背景のひとつが映画やドラマロケの誘致。佐賀県鹿島市などで撮影されたタイの映画が14年に同国で公開されて以降、ロケ地を訪ねるタイ人観光客が増えたという。伸び率2位の三重県は、16年5月に開く主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で注目される場所。ここ数年は伊賀流忍者博物館(伊賀市)を巡るツアーが人気だという。

     国・地域ごとに日本を訪れる都道府県を調べると、2014年の数字では「2位」に違いが出た。韓国や中国からは、比較的距離が近く、レジャーや買い物、飲食のスポットが集まる「大阪」へ。米国、カナダ、英国といった欧米の先進国からは、日本の歴史を感じられる「京都」へ。シンガポールやタイなど雪の降らない国々からは、スキー観光を兼ねた「北海道」へ向かう観光客が多い。

    日本観光、何に期待?

    アジアの人「買い物」 欧米の人「歴史に触れたい」

    日本を訪れる前に期待していたこと(2014年)

       「和食を食べたい」「ショッピングを楽しみたい」「豊かな自然に触れたい」。訪日外国人が日本の観光で楽しみたいことは様々だ。調査結果を見ると、温泉、テーマパーク、農村体験、舞台鑑賞など、日本には外国人でも楽しめる観光資源が多いことに改めて気づく。国・地域別に傾向を見ると、中国、香港、タイ、シンガポールなどアジア各国から訪れる人は、観光スポットを訪ねることよりショッピングに期待する人の割合が多かった。

      お金を何に使う?

      2兆円を超えた旅行消費額 中国人はその3割近く

      訪日外国人の旅行消費額の移り変わり

       14年の訪日外国人の旅行消費額は、前年と比べて約4割増の2兆278億円となり、過去最高になった。国・地域別では、中国が前年比ほぼ倍増の5583億円。全体の3割近くに迫り、「爆買い」と呼ばれる消費の実像が数字にも表れている。

      滞在期間が長いオーストラリア人、宿泊費に1人9万円以上

      出費項目別の旅行支出額(2014年)

         1回の旅行で1人がどれくらい、何にお金を使うのか。出費の項目でみたところ、宿泊代のトップは滞在期間が長いオーストラリア人で、1人あたり9万3484円。買い物代では1人あたりでみても中国人が多く、1回の旅行で12万7443円を使っている。

        取材・制作
        編集委員・小林明、板津直快、佐藤健、安田翔平、清水正行
        データ出典
        訪日外国人旅行者統計(日本政府観光局)、訪日外国人消費動向調査(観光庁)、
        宿泊旅行統計調査(観光庁)

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