外国人依存度 データの現場④

和歌山のビーチリゾート 「母国語で接客」が強み

アドベンチャーワールドや温泉、ビーチで知られる和歌山県白浜町。関西随一のリゾート地でも外国人労働者が欠かせない存在となりつつある。

白浜町でホテル・旅館を展開する白浜館では5人の外国人が正社員として働く。ベトナム人女性のグェン・ティ・ドンさん(28)もその1人だ。2018年11月に入社。現在は「ホテル天山閣海ゆぅ庭」で接客や客室準備を担当している。

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「ホテル天山閣海ゆぅ庭」でチェックイン前の客室を準備するベトナム人女性のグェン・ティ・ドンさん

「グェンさん、この部屋をチェックして」「はい、行ってきます」。グェンさんはまだ入社4カ月だが、客室準備は手慣れたもの。部屋にゴミが残っていないかを確認し、菓子も人数分、座卓の上に手早く用意する。

チェックインが始まれば駐車場に待機し、宿泊客を部屋に案内する。午後8時の退社まで忙しい時間が続くが、グェンさんは「仕事は楽しいし、日本は安全で暮らしに不安はない」と笑顔だ。

和歌山県の外国人依存度の伸び率

政府の統計によると、18年に和歌山県で働く外国人は2395人。196人に1人の割合だった。業種別(15年)では特に「宿泊、飲食サービス業」が高く、68人に1人だ。

白浜館は19年4月入社予定の正社員10人のうち6人が外国人(3月上旬時点)となった。訪日外国人に母国語で接客できる点などは宿泊施設にとって強みとなり、人手不足対策どころか立派な戦力だ。今後も採用を強化する考えで、2月には中田力文社長がアジアを訪問している。

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ホテルシーモアでは台湾出身の派遣女性が備品を整理していた

和歌山県の業種別外国人依存度ランキング

順位 業種 2015年 総数 上位3カ国
1 宿泊、飲食サービス 1/68 364 韓国・朝鮮: 174人,中国: 69人,フィリピン: 52人
2 製造 1/93 681 中国: 249人,フィリピン: 132人,韓国・朝鮮: 93人
3 教育、学習支援 1/114 186 アメリカ: 64人,イギリス: 21人,韓国・朝鮮: 20人
4 生活関連サービス、娯楽 1/135 113 韓国・朝鮮: 59人,中国: 24人,タイ: 12人
5 不動産、物品賃貸 1/190 30 韓国・朝鮮: 23人,中国: 3人,フィリピン: 1人

県内では製造業の外国人依存度も高く、93人に1人だ。県経営者協会の木村明人会長が社長を務めるカーテン製造販売のインテリックス(和歌山市)では、現在20人のベトナム人技能実習生が働く。縫製や取りつけ工事などを担当しており、同社は工場敷地内に技能実習生用の寮を整備した。

県は和歌山市内の国際交流センターに在住外国人向け相談窓口を開設。外国人労働者の増加を受け、対応言語を現在の4カ国語から増やすことを検討している。

取材・制作
細川博史、久能弘嗣

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