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ネットは政治を動かすか 発信・反応…日本のいま ネットは政治を動かすか 発信・反応…日本のいま

中東の民主化運動「アラブの春」で、政治への影響力を示した交流サイト(SNS)。選挙運動への利用が始まり、安全保障関連法を巡っては幅広い層の議論を後押ししたインターネットは、日本でも政治を動かす存在になるのか。データから探ってみた。

ネットツールと更新度 国会議員の現状は

HP・ブログ・FB・ツイッター 「すべて開設」半数超

国会議員は有権者・国民への情報発信手段として、ホームページ(HP)とブログ、フェイスブック(FB)、ツイッターをどのくらい活用しているのか。選挙・政治家データベースサイトを運営する選挙ドットコム(東京・千代田)の調査をもとに集計したところ、これら4つをすべて持つ議員が衆院で53%、参院で52%を占めた。

一方で閣僚経験者7人を含む13人はHPのみ。逆にHPは持たず、FBなどのSNSに絞っている議員も5人いる。

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ツイッター開設は6割どまり

ネットツール別の開設状況をみると、最も低いのがツイッター。HPは99%以上、ブログとFBも8~9割の議員が持っているのに対し、ツイッターは6割台にとどまる。各国首脳らがツイッターで多くの関心を集めているのに比べ、日本の国会議員の活用は出遅れ気味だ。(10月19日付の日本経済新聞朝刊参照)

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SNS、7~8割が「更新中」 ツイッターは25%〝休眠〟も

せっかくのネットツールも、情報が古いままでは政治家の最新の動きや生の声が国民に伝わらない。選挙ドットコムが国会議員のSNS更新状況を3段階で評価したところ、衆参ともブログとFB、ツイッターを持つ議員のそれぞれ7~8割台が「現在も更新中」だった。

ただツール別にみると、ツイッターを持つ議員のうち参院では25%、衆院は18%が「更新なし」。ブログも参院の19%が同様の休眠状態、衆院の15%は「選挙時だけ更新」となっており、積極的に発信していない議員も一定数に上る。

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安倍首相・橋下市長… SNSで何を語る

ツイート頻出語はこれだ

安倍晋三首相(@AbeShinzo)

橋下徹大阪市長(@t_ishin)

政治家はSNSを使って、どんな内容を発信しているのか。それを知る手掛かりとして、ツイッターで使われたキーワードの種類や頻度を分析。「ワードクラウド」という手法で示した。例えば安倍晋三首相のツイートをみると「日本」や「総裁選」が多い半面、「アベノミクス」などは意外と使われていない。橋下徹大阪市長は「大阪」や「都構想」関連が目立つ。
(安倍首相を含む国会議員351人のツイートのワードクラウドをパソコン向け画面に掲載)

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自民・民主・維新の7氏 ブログで見る「違い」

  • 石破茂 地方創生相

  • 野田聖子 元郵政相

  • 小泉進次郎 前復興政務官

  • 岡田克也 民主代表

  • 野田佳彦 前首相

  • 松野頼久 維新代表

  • 江田憲司 維新前代表

自民党と民主党、維新の党で更新が多いとされる国会議員のブログで、よく使われているキーワードも同様に分析した。「皆さん(皆様)」「議員」「国民」「国会」「政治」「問題」が共通して使われる一方で、特徴ある言葉も目に付く。

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議員ツイート、発信と反響を検証

安保国会終盤、総数では自民だが…

国会議員のSNS発信頻度とネットユーザーの反応を探るため、安保関連法が焦点となった第189通常国会で、終盤約1カ月間の衆参両院議員のツイートを主な政党別に調べてみた。ツイートの総数は自民、民主、共産の順。しかしツイッターを利用している議員1人あたりの平均ツイート数でみると共産が突出。民主と維新も自民を上回り、野党議員が積極的に発信したことが分かる。

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共産、RTなど高い反応

こうした議員のツイートは、どれだけ読み手に「お気に入り」(favorite=fav)登録やリツイート(RT、拡散のための再投稿)をされたのか。議員の各ツイートに対する反応を政党別に合計すると、お気に入りはツイート数に沿った傾向だが、リツイートは共産が自民を上回っている。ツイッターを利用している議員1人あたりの平均でみると、お気に入り・リツイートともに共産が多くの反応を集めている。

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ネット選挙、浸透まだまだ

2014衆院選で「知らなかった」4割

2013年7月の参院選を前に解禁された「ネット選挙」。14年12月には衆院選、15年3~4月は統一地方選と実施されてきたが、浸透にはほど遠かったようだ。例えば東京都選挙管理委員会が14年の衆院選について都民に実施した調査によると、ネット選挙を「知らなかった」との回答が全体で41.2%に上った。特に年齢別では20代が52.3%、80代以上では62.1%と認知度の低さが目立つ。

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ネット情報「触れず」6割

また都選管が投票日または期日前に投票した人に「ネットで触れた情報」(複数回答)を聞いたところ、最も多かったのは「触れていない、見ていない」の64.9%だった。触れたなかで最も多かったのは「ニュースサイトや選挙情報サイト」の20.1%。「候補者・政党などのホームページ、ブログ」は11.7%、「候補者などのSNS」は5.7%にとどまり、政治家が直接発信するツールへの反応は鈍い。

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参院選→衆院選で変化は

13年参院選と14年衆院選とで、政党・候補者が発信したネット選挙情報への接し方に変化はあったのか。東京大学の橋元良明教授(コミュニケーション論)が首都圏で実施したサンプル調査では、参院選で「接した」人は18.3%だったのに対し、衆院選では16.1%に低下している。一方でテレビや新聞、ニュースサイトなど「選挙に関する情報」に触れた人は参院選の28.8%から、衆院選では40.2%に増加している。

ネットで政策や主張を伝えようとする政治家と、それをウオッチし、投票や支持・不支持の判断材料にする有権者・国民。いまの日本では発信力、活用度ともに政治を大きく動かすには力不足のようだ。「18歳選挙権」が適用され、ネット世代の裾野が広がる16年夏の参院選は転機になるだろうか。

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キーワードで見比べる国会議員ツイート

ツイッターを利用している国会議員の頻出キーワードを見比べてみよう。政党名のボタンを押すか、検索ボックスに政党名や名字を入力すると、該当する議員名が出てくる。見たい議員名をクリックすると、ワードクラウドが表示される。

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制作・データ分析:
白尾和幸、桃井裕理、鎌田健一郎、佐藤健、清水明
協力:
選挙ドットコム(http://go2senkyo.com/)

日経本誌の誌面では・・・ 日経本誌の誌面では・・・

ローマ法王や各国首脳のSNS影響力とネットワークは――。10月19日付日経朝刊の「データディスカバリー」でビジュアルに描いています。

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