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進む「近・長・借…」ニッポンのクルマ事情

クルマの使い方が大きく変わっている。通勤やドライブの用途が年々減り、買い物など身近な利用にシフト。長年買い替えずに乗り続けたり、必要なときだけ借りたりする傾向が強まった。こうした「近・長・借」などのキーワードを裏付けるデータから、社会の変化を映す日本のクルマ事情を探る。

走る距離、10年で2割減「買い物」利用メーンに

《 マイカーで1カ月に走る距離 》

1995年
2005年
2015年
480km
450km
350km

《 マイカーの主な用途 》

通勤・通学 買い物

マイカーで1カ月に走る距離は、ここ10年で22%にあたる100キロも減った。1995~2005年が30キロ減だったのに比べ、減り方が加速している。用途が通勤・通学から身近な買い物に変わったり、ドライブで遠出するニーズが減ったりしたことが背景にあるようだ。

女性の運転比率、男性並みに

《 「主に運転するのは女性」の比率 》

29%
35%
46%
この10年で1.8倍

近距離のクルマ利用が増えた背景には、女性の存在もある。マイカーを主に運転する女性の比率は20年前の約3割から、半数近くにまで高まった。

《 マイカー保有と「働くママ」の関係 》

1世帯あたりの乗用車保有台数が多い福井、富山、山形の各県は、育児をしながら働く女性の比率も高い。子供の送り迎えや通勤、買い物にクルマを日常使いするシーンが浮かび上がる。

使用年数12年超え40年で倍近くに

《 乗用車(「軽」除く)の平均使用年数 》

1976年

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1976年

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1976年

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1976年

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1台のクルマを使い続ける年数は2001年に初めて10年台、2010年からは12年台に達している。統計でさかのぼれる約40年前から倍近くに伸びた。クルマの性能や耐久性が向上したことが大きいようだ。

カーシェア車両数、米国並みにレンタカーも増勢続く

《 日本のカーシェア会員数 》

2006年
2016年
1,712人
84.6万人
494倍

《 日本のカーシェア車両台数 》

2006年 118台
2016年
1.9万台
167倍

クルマに乗る距離や頻度が減るなか、所有コストをかけず「必要なときだけ借りる」ニーズは高まる一方だ。日本のカーシェアリングの会員数はこの10年で494倍、車両台数は167倍に急増。海外に比べ後発の市場にもかかわらず、人口あたりの会員数でみた普及率は米国や英国、ドイツを上回る勢いだ。

《 日本のレンタカー事業者数 》

2014年
5,994店
1.2万点
1.7倍

《 日本のレンタカー車両(乗用車)数 》

2004年 17.5万台
2014年
31.5万台
約1.8倍

カーシェアだけではない。レンタカーの車両台数・事業者数もこの10年で1.7~1.8倍と、なお増勢が続いている。

四輪普及率、新興国なお伸びしろ日米は成熟

《 四輪の保有台数と伸び率 》日米とアジアの主な新興国 2009年→2014年

《 四輪、人口何人に1台普及 》

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日本日本
米国米国
タイタイ
中国中国
インドネシアインドネシア
インドインド

日米と、アジアの主な新興国とでは、クルマ市場の勢いにどれだけ差があるのか。保有台数は米国が約2.6億台、中国が1.4億台で突出。この5年間での伸びは中国とインドが2倍を超える。また人口に対する普及率は日本が1.6人、米国は1.2人に1台行き渡っているのに対し、インドネシアは12人、インドは33人に1台と、まだまだ伸びしろが大きい。

制作・データ分析:
吉田楓、漆間泰志、白尾和幸、鎌田健一郎、佐藤健
ウエブ制作協力:
ノースショア株式会社
制作・データ分析:
吉田楓、漆間泰志、白尾和幸、鎌田健一郎、佐藤健
ウエブ制作協力:
ノースショア株式会社

日経朝刊の誌面では・・・ 日経朝刊の誌面では・・・

運転免許を持つ女性の数は、男性の2倍の伸び――。6月20日付の日経朝刊「データディスカバリー」では、共働き世帯とともに増える女性ドライバーの推移を描いています。

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