インターネットを使った個人間売買が増えている。スマートフォン(スマホ)で商品の画像を投稿し、素早く売買できる「フリーマーケット(フリマ)アプリ」と、一定期間内に入札を繰り返して購入者を決める「ネットオークション」だ。両者の実力をデータで探ってみる。
フリマ、オークションでそれぞれ「1強」のメルカリとヤフオクを比べてみた。ヤフオクはメルカリと比べ、取引総額で約7倍、出品数で約50倍の規模。一方、メルカリはサービス規模の伸びで勝り、スマホアプリからの利用者が多い。
フリマの伸びはスマホの普及と重なる。スマホ1台で出品や売買できる手軽さが受け、若い女性を中心に支持が広がる。お小遣い稼ぎに加え、不要なものを手軽に手放したいというニーズにも応えている。
決まった期間内で何度も入札されるオークションに対し、フリマは売り手と買い手が合意すれば、すぐに取引が成立する。隙間時間を使えるフリマは利用頻度は高く、取引金額は低め。メルカリでは売れた商品の約半数が24時間以内に取引が成立している。
素早く手軽に売り買いできることから、フリマでは衣料品や時計・アクセサリーなどトレンドが移り変わる商品の人気が高い。一方でネットオークションは衣料品のほかにも楽器やフィギュア、家電、AV機器など趣味性の高いものが売れ筋になっている。
フリマではトイレットペーパーの芯や空の牛乳パックなど、一風変わったものも人気を集める。「子供の工作で使う」といった理由で購入希望者がいるようだ。捨てるしかなかったものが商品になる点も個人間取引ならでは、なのかもしれない。