Data Discovery データディスカバリー

第2次大戦の終結から71年を経た世界。この間、ベルリンの壁と旧ソ連の崩壊で東西冷戦にピリオドが打たれたが、紛争はやまない。テロの脅威や領有権を巡る争いも目立ち、世界は不確実性を増している。人類は平和を取り戻すことができるのか。いくつかのデータから考えてみよう。

平和は取り戻せるか データで見る世界のいま

再び近づく「終末」

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1953年 米国の水爆実験
残り2分
1991年 冷戦終結
残り17分
2015年 温暖化や核開発
残り3分
1953年 米国の水爆実験 1991年 冷戦終結 2015年 温暖化や核開発
残り2分 残り17分 残り3分
この四半世紀で17分→3分

「地球最後の日」まで残り3分――。核開発や地球温暖化の危機を訴えるため米誌が発表する「終末時計」が、過去最悪(1953年の2分)に迫っている。冷戦が終結した1991年には17分まで針を戻したものの、2015年には「指導者の無策」も背景に3回目の3分となった。

軍事費、中国が台頭 中東勢やロシアも拡大

軍事費の規模が大きい国

2014年
  • USA
  • CHA
  • RUS
  • SAU
  • JPN
    JPN

軍事費の上位15ヵ国でみる ここ10年の増減

1位 中国 2.67倍
2位 UAE 2.35倍
3位 サウジ 2.12倍
4位 ロシア 1.97倍
14位 日本 3.7減

軍事費の規模と伸びを、2014年の上位15カ国で比べた。規模は米国が6000億ドル超で突出し、中国がその3分の1で続く。ここ10年の伸びは中国が2.67倍と最も大きく、アラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビア、ロシアも倍増。27%減のイタリアなど縮小の動きもあるが、世界的には軍拡傾向が目立つ。

争いの代償、経済にも

暴力による世界経済の負担・損失

2015年 13.6兆ドル
軍事費 6.1兆ドル 45%
国内警備費 3.5兆ドル 26%
殺人 1.8兆ドル 13%
民間警備費 0.7兆ドル 5%
性的暴行および暴力 0.5兆ドル 4%
紛争関連 0.4兆ドル 3%
その他 0.5兆ドル 4%
世界のGDPの13.3%

13.6兆ドルってどんな規模?

日本のGDPの3.3倍
4.1兆ドル
13.6兆ドル
日本のGDP
世界経済の負担・損失

国家間の争いやテロ、事件に絡む「暴力」は、人々の命や暮らしとともに経済にもダメージを与える。その負担や損失による影響額は13兆ドル超と、世界の国内総生産(GDP)の13%を占めるとされる。日本のGDPの3倍にあたる規模だ。

ノーベル平和賞受賞者 増える中東・アフリカ、アジア

主な地域別受賞者

西欧 4個
北米 3個
西欧 3個
中東・アフリカ 5個
アジア 3個
中東・アフリカ 3個
  • 1950年代1950年代
  • 1990年代1990年代
  • 2010年代2010年代

紛争リスクをはらむ世界でも、平和を目指す取り組みは着実に広がっている。ノーベル平和賞を戦後に受賞した個人を年代・地域別にみると、かつての北米・欧州中心から近年は中東・アフリカとアジアの台頭が鮮明だ。

指数でみる「平和な国」 日本は世界9位

「平和度」が高い国 2016年

1位 アイスランド
2位 デンマーク
3位 オーストリア
4位 ニュージーランド
9位 日本

どんな国が「平和」だといえるのか――。形のない平和の度合いを、紛争の有無や政治の安定性、軍事費などから数値化した「世界平和指数」で比べてみた。最も「平和な国」はアイスランドで、デンマークやオーストリアなど上位には欧州勢が目立つ。日本は9位。逆に「平和でない国」の顔ぶれは……。

制作・データ分析:
松本史、白尾和幸、鎌田健一郎
ウエブ制作協力:
ノースショア株式会社
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松本史、白尾和幸、鎌田健一郎
ウエブ制作協力:
ノースショア株式会社

日経朝刊の誌面では・・・ 日経朝刊の誌面では・・・

争いは国家間から内戦に。紛争による死者が減る一方で、難民の数は再びピークに――。8月15日付の日経朝刊「データディスカバリー」で変化をビジュアルに描いています。

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