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ベンチャーブーム再び?日本の「起業力」を解剖

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日本の起業に追い風が吹いている。人工知能(AI)など新技術への期待やマイナス金利による資金調達コストの低減がベンチャー企業への投資を後押し。少子高齢化などの社会的課題もビジネスチャンスを生む。2000年代に続くベンチャーブームは来るのか。データから探ってみた。

ベンチャー投資、10年で最高 IPOもリーマン後最多

未上場ベンチャー企業の資金調達額

2006年 1,472億円
2012年 629億円
2015年 1,658億円

新規株式公開(IPO)企業数

直近10年で最高 188社

「ライブドア・ショック」に見舞われながらも、未上場ベンチャー企業の資金調達額と新規株式公開(IPO)の企業数が直近で最高だった2006年。それから10年目の2015年はベンチャー資金調達が最高を更新。IPOも2009年を底に回復が続いている。

増勢続く大学発ベンチャー 国立が圧倒、「株式会社立」も

大学発バンチャー数

2015年度
2015年度
2005
1995
112社
1,430社
1,773社
20年間で16倍

大学別の顔ぶれは…

1 189社
2 86社
3 79社
4 73社
5 65社
11 42社

研究成果を事業化する大学発ベンチャーの設立も活発だ。2015年度時点で1773社と10年で24%増、20年前の16倍になった。大学別では東京大が189社と、2位の京都大の2倍超。上位10大学のうち早稲田大以外はすべて国立だ。また株式会社立のデジタルハリウッド大が42社で11位につけているのも目を引く。

開業が多い業種はサーニス、医療、福祉…

新規開業した業種

サービス 23.2%
医療・福祉 19.5%
飲食・宿泊 15.9%
小売り 11.95
建設 8.6%
その他 20.95

個人も含めた起業は、どんな業種が目立つのか。2015年度の調査で、開業が最も多かったのは理美容など「サービス」の23%。次いで医療・福祉、飲食・宿泊、小売りの順だった。開業時の平均年齢は42.4歳。また開業直前の職業は正社員の管理職が40%を占める一方で、非正社員が初めて1割を超えた。

「社会起業」高まる関心

ソーシャルビジネスへの意欲

5人に1人「起業してみたい」
34%の人が「働いてみたい」
子育て経験者による保育支援
職人の後継者育成
就農

これから起業の新たな選択肢になりそうなのが、社会が抱える課題の解決を目指す「ソーシャルビジネス」だ。意識調査では20%がソーシャルビジネスで「起業してみたい」、34%が「働いてみたい」と回答。保育支援や職人の後継者育成、就農支援、ひきこもり支援などへの関心が高い。

世界と比べると… こんなに低い「起業意欲」

2014年の「総合起業活動指数」

日本は70カ国・地域中69位
1位カメルーン37.4%
2位タイ23.3%
17位ブラジル17.2%
22位中国15.5%
27位米国13.8%
37位英国10.7%
69位日本3.8%

G7では米国、カナダの3分の1

1位米国13.8%
2位カナダ13.0%
3位英国10.7%
4位フランス5.3%
5位ドイツ5.3%
6位イタリア4.4%
7位日本3.8%

ただ日本の起業力は、世界では大きく見劣りする。起業意欲を示す「総合起業活動指数(TEA)」という指標で比べると、日本は2014年調査で70カ国・地域中69位。途上国や新興国の意欲が高い傾向があるものの、主要7カ国(G7)でみても日本は米国やカナダの3分の1以下の水準だ。「失敗への恐怖心」が高く、「起業家への尊敬度」が低いといった日本人の国民性や職業観が壁になっている。

日本、起業の「女生活躍」は

女性の「起業しやすさ」示す指数

米国
オーストラリア
英国
日本
82.9pt
74.8pt
70.6pt
40.0pt
日本は77ヵ国・地域中44位

女性を巡るビジネス環境や教育・文化などを踏まえ、女性の起業のしやすさを示す「女性起業指数」でみると、日本は2015年調査で77カ国・地域中44位となっている。上位10カ国はオーストラリアを除き欧米が占めた。アジア勢でもシンガポールや台湾、韓国が日本を上回っている。

高齢化社会で「元気なシニア」が起業の担い手となる日本(10月17日付日本経済新聞朝刊参照)。今後は女性や大学、ソーシャルビジネスといったベンチャーの裾野を広げつつ、世界に見劣りするビジネス環境をいかに改善できるかが起業の活力を左右しそうだ。

制作・データ分析:
山下和成、井川遼、白尾和幸、鎌田健一郎、佐藤健
ウエブ制作協力:
ノースショア株式会社
制作・データ分析:
山下和成、井川遼、白尾和幸、鎌田健一郎、佐藤健
ウエブ制作協力:
ノースショア株式会社

日経朝刊の誌面では・・・ 日経朝刊の誌面では・・・

起業する人の総数が減るなか、気を吐く高齢者。10月17日付の日経朝刊「データディスカバリー」では、60歳以上の「シニア起業」の増加ぶりと、ほかの世代と比べた動機の違いをビジュアルに描いています。

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